FLYING SAPA ― 真風氏は水星で生存できるのか本気で考えてみた
『FLYING SAPA -フライング サパ-』
作・演出/上田 久美子
未来のいつか、水星(ポルンカ)。過去を消された男。記憶を探す女。謎に満ちたクレーター“SAPA(サパ)”。到達すれば望みが叶うという“SAPA”の奥地。夢を追い、あるいは罪に追われてクレーターに侵入する巡礼たち。過去を探す男と女もまた、その場所へ…。
追撃者から逃れて、2112時間続く夜を星空の孤児たちは彷徨する。禁じられた地球の歌を歌いながら──
SFには2種類あります。スペース・ファンタジーとサイエンス・フィクションです。
スターウォーズ=エルハポン説
たとえばスターウォーズの映画では、銀河系をまたにかけて、隣の惑星に行くのに東京~ムラ間を遠征するくらいのノリで移動しておりますがね、宇宙ってめちゃくちゃ広いんですよ。隣の惑星まで本気で行ったら年単位、数十年単位の時間がかかるんですよ。あの映画が未来が舞台で、宇宙船が出てワープしてビームを撃とうとも、話の枠としてはエルハポンと同じく、女を助けて悪役をやっつけるチャンバラ時代劇(ジェダイ)の様式のスペースファンタジー(宇宙オペラ)なんですよ。
浦島太郎=サイエンス・フィクション説
浦島太郎は昔話だけど、サイエンス・フィクションだと思うんです。「もしも地上と竜宮城で時間の進み方が違ったら」というサイエンスの「if」をキーに、お話が構成されていますから。FLYING SAPAは移動範囲も太陽系内だし、ウエクミ氏の性格的にこっち系だと仮定します(笑)
水星ってどんなところ?
国立天文台によると
水星の昼間の温度は赤道部分で最高430°Cに達します。これは鉛もとけてしまう温度です。逆に夜は-160°Cにまで冷え込んでしまいます。水星には、地球と異なり、温度をやわらげてくれる大気も海もないからです。さらに、水星の一日というのがまた少しかわっていて、このことも昼と夜の温度差を大きくする原因の一つになっています。
88日間は昼間で太陽が照りっぱなし、そして次の88日間は夜で太陽は全然姿を見せないのです。
・・・こんなところに着陸して真風氏は生存できるのか?
ピンポイントに生存可能な場所を発見!
気になって調べたら、水星の極地のクレーターの太陽光が当たらない縁のところは氷点下を保ち、水が凍ったものが存在するそうで。となるとクレーターの縁の地下にシェルターを作って太陽エネルギーで氷を溶かしたら、人類生存もまったく荒唐無稽ではないらしい。
こんなピンポイントな場所に何をしに行くのか・・・あー気になってきた。ライビュあるよね?