永久輝せあ初東上、ギリシャ悲劇に挑む!『冬霞の巴里』
2019年、星組バウホール公演『龍の宮物語』で演出家デビュー指田 珠子(さしだ しゅこ)、外箱デビュー!
Fantasmagorie
『冬霞(ふゆがすみ)の巴里』
作・演出/指田 珠子
時は19世紀末パリ、ベル・エポックと呼ばれる都市文化の華やかさとは裏腹に、汚職と貧困が蔓延り、一部の民衆の間には無政府主義の思想が浸透していた。
そんなパリの街へ、青年オクターヴが姉のアンブルと共に帰って来る。二人の目的は、幼い頃、資産家の父を殺害した母と叔父達への復讐であった。
父の死後、母は叔父と再婚。姉弟は田舎の寄宿学校を卒業した後、オクターヴは新聞記者に、アンブルは歌手となって暮らしていたが、祖父の葬儀を機にパリへ戻った。
怪しげな下宿に移り住む二人に、素性の分からない男ヴァランタンが近づいて来る。やがて姉弟の企みは、異父弟ミッシェル、その許嫁エルミーヌをも巻き込んでゆく…。
古代ギリシアの作家アイスキュロスの悲劇作品三部作「オレステイア」をモチーフに、亡霊たち、忘れ去られた記憶、過去と現在、姉と弟の想いが交錯する。復讐の女神達(エリューニス)が見下ろすガラス屋根の下、復讐劇の幕が上がる…!
『龍の宮物語』も、泉鏡花の古典戯曲「夜叉が池」「海神別荘」を基にした翻案でしたね。
紅子:”古代ギリシアの作家アイスキュロスの悲劇作品三部作「オレステイア」をモチーフに、”ってさあ・・・
そりゃ著作権は2,000年以上前に切れているでしょうけれど、大昔の神様のありがたいお話って面白いの?
これは、劇団の予算が「TOP HAT」版権で尽きたのかしら・・・
管理人:未来のトップオブトップ永久輝せあ、2,500年を経ても普遍性を失わない人類の永久遺産、ギリシャ悲劇に満を持して挑む!とか言いなさい!
だいたいこのギリシャ悲劇の作者アイスキュロスからして、オリジナルではなくギリシャ神話を元ネタにして「オレスティア」という芝居を作ったんだから。
「オレスティア」あらすじはここで
鈴木仁&濱田龍臣が“旅”へ!ギリシャ悲劇シリーズ最終章の舞台『オレステスとピュラデス』フォトコール|エンタステージ
オレステス一家の血塗られたファミリーヒストリー
叔父さん(お父さんの弟)が、トロイの王子に奥さんを取られる
叔父さん激おこ、トロイと戦争する。お父さんも助っ人に行く。
お父さん、勝利を祈る生贄に、自分の娘(つまりオレステスの姉)を捧げる
お母さん激おこ
🏇トロイの木馬🐎
お父さん、愛人を連れて帰ってくる
お母さん、不倫相手と共謀してお父さんを殺す
もう一人のお姉さん激おこ、僕は実家から逃げる
伯父さんの家で育つ、従兄と仲良くなる
僕が従兄と実家に帰ったら、お姉ちゃんに「復讐よ!アンタ男でしょ、お母さんと愛人を殺しなさい!」とせっつかれる←今ここ
紅子:文春ですか。まったく「ありがたいお話」では無い気が・・・
管理人:人間はねえ、2,000年や3,000年くらいでは変わりっこないのよ。演劇とは、古代ギリシャから鳴りやむことの無いニンゲンの変奏曲なのよ。
復讐の女神達(エリューニス)とは
…彼女たちは,普通,有翼で,頭髪は蛇,手に松明(たいまつ)を持って罪人を追い,これを狂わしめると考えられ,その憂き目にあった人間として,いずれも母親を殺したアルクマイオン,オレステスが有名。
アイスキュロスの悲劇〈オレステイア三部作〉の第3部《エウメニデス》で彼女たちがコロスとして舞台に登場したとき,気絶あるいは流産した女性の観客があったと伝えられる。
怖いー!ヒロインも復讐にとりつかれているし、復讐の女神も怖いー!
まとめ:やっぱり不倫は文化