宝塚 ライビュ専科の地方民のブログ

宝塚を「好き」という気持ちを因数分解してみたい、という思いで綴っています

縣千の歌唱力問題 音感はアレだが鈍感ではないと思う




雪組新人公演『CITY HUNTER』の配信で、初めて縣千の歌唱をじっくり聞いた、と言う方も大勢いらっしゃると思います。


・・・


さて、あがたの歌唱力問題ですが。


あがたくん、「音楽面」で言えば、音程やピッチが不安定で、厳しい評価になるのは間違いないのですが、


国語的な「歌詞の読解と解釈」という意味では、決して見当違いな歌い方では無かったと思うんですよ。




余命いくばくもない大女優から


「せめて最期に親らしいことをしたい。道を踏み外した息子を助けて」と依頼されて


「…泣かせるじゃない」からの


アニメ版第1期エンディング『GET WILD』

TM NETWORK / Get Wild(TM NETWORK FINAL MISSION -START investigation-)


It's  your  pain or my pain  or somebody's pain


誰かのために生きられるなら


It's your dream or my dream or somebody's dream


何も怖くはない


Get wild and tough  ひとりでは 解けない愛のパスルを抱いて


Get wild and tough この街で やさしさに甘えていたくはない



想いがすれ違い、自分の元を離れていく香を、「裏社会に生きる自分には、アイツを幸せにできないから」と追いかけられない心情を歌う、


アニメ版第2期エンディング『Still Love Her』

TM NETWORK / 「Still Love Her(from LIVE Blu-ray / DVD TM NETWORK 30th 1984〜 QUIT 30 HUGE DATA)」



歌をきかせたかった 愛を届けたかった 思いが伝えられなかった


僕が住むこの街を 君は何も知らない 僕がここにいる訳さえも


冴羽リョウの、女性とおちゃらけているか、ハンターの目をしているか、の両極端を繋ぐ歌詞の世界。


アニメ版も大概毎週ドタバタでしたが、これらの名曲のおかげで冴羽リョウのキャラクターに深みが増したと思います。



あがたは音感や歌唱テクニックとしては、まだまだ発展途上ですが、


歌の歌詞の世界観を表出する感性は、鈍感ではないと思うんです。


あがたは今後真ん中を目指していくのでしょうが、お芝居の劇中歌については、歌詞に込められた感情を役として歌うことに注力していけば、ゆくゆくは「まあ聞けるレベル」にはなれそう・・・


いわゆる「役者歌」の方向ですね。



「俳優は役を与えられて歌うことができる人たち。シンガーとして役をもらって歌う人。しかしどんどん減ってきている。俳優としても力があり、すごくいい歌が歌えるという人が出てくるといろんな音楽が生まれていく可能性がある」



まあ、どうにかならねば、みんな困るのだ。がんばれあがた。



ショー?


もう上手い子にどんどん歌ってもらって、あがたは真ん中で踊っていれば、みんな幸せだよね!