宝塚 ライビュ専科の地方民のブログ

宝塚を「好き」という気持ちを因数分解してみたい、という思いで綴っています

木場理事長、女性ファンより男性ファンを増やしたいの?


最近の宝塚の大劇場の芝居には「恋愛」が足りない


宝塚の最近の大劇場の演目、どう思います?


『シティハンター』に『柳生忍法帖』に、


親の財産で放蕩する『夢介千両みやげ』、銀魂っぽいサイバーテクノシティ・エドの忠臣蔵異聞に、戦場カメラマンの話。


「男のロマン」の話ばっかり。


「男のロマン」とか言っている奴って、まず女の言うことを聞きませんよ。戦場カメラマンとか、海坊主とか、女が「危ないことは止めて」と言っても振り切って戦場に行くんですよ。


職業:傭兵ってたぶん日本の保険会社の保険には入れませんよ。職業欄を「喫茶店経営」にして保険に入れても、バズーカで撃たれるのは保険金の適用外ですよ。


私が子供の頃は、宝塚って「ひたすら恋愛劇をやるところ」と思っていたんですよ。柴田先生のお芝居に出てくる男役さんなんて「恋愛するのが仕事」みたいな人ばっかりでしたよ。


最近の宝塚は何ですか。ピストル撃ったりチャンバラしたりばっかりで、ろくに恋愛していないではないですか!


「若者の恋愛離れ」どころか、「宝塚の恋愛離れ」って何ですか!


この傾向、新理事長になってから顕著になっていると思うんですけれど、木場新理事長の意図はどこにあるのでしょう?


仮説1:男性ファンを増やしたい?

宝塚も営利事業であり、未来に続く「持続可能な経営」を目指していると思うんです。


大人気スターが退団後のコロナ禍で、新規ファンを増やさねばならない。


だが、これまで劇団にとっては「タダで使えるチケット売りさばき機能」であった「会」は、入り出やお茶会というファンと生徒が「密」になれるウリを使えない。


それに、「会」に入るファンは女性が多く、女性ファンはたいてい「女性」のお友達を誘う(女性は男性を宝塚に誘わないですよね)


この状況で、木場理事長は既存の「女性ファン市場」を狙うのみならず、「男性ファン市場」という新市場を開拓したいのでしょうか?


最近、宝塚の「つまんなさ」の質が変わってきていません?


某宝塚の元支配人が、ファンは贔屓の顔をオペラグラスでガン見していて、贔屓以外のセリフはうろ聴きだったりするから、あまり複雑な展開の難解な芝居はファンも求めていない、贔屓がカッコイイのがよい作品、とかおしゃっていましたね。


それゆえ「お話が陳腐で退屈」と言われたりしましたが。


最近は、セリフを一言でも聞き逃したらついていけなくなりそうな、ぎゅうぎゅう詰めの超特急展開、鎖の果てがどうの祈りの声がどうのと小難しいテーマ。むずきゅん恋愛は控えめ。


こういうの、いわゆる男のオタクが好きなんですよ。一人で見にいって、腕組みしながら難しそーな顔でずっと鑑賞して、SNSに「この場面のこのセリフについて僕が考えた最強の解釈」とかを披露したりするタイプ。


木場理事長は、そういうオタク気質な男性ファンを新規開拓したいのでしょうか?丸の内のオフィス街に勤務する、「日経ビジネス」を定期購読して「特集:古代ギリシャの賢者に学ぶ経営哲学」を読んでいるような、ビジネスパーソンをターゲットに。


でもなあ。最近の演目傾向、100周年以前から宝塚の苦しい時代を何十年も支えている女性ファンには、ウケがいいのかなあ。みんな贔屓がいるから通っているけれども。


仮説2:1度見ただけではわからないでしょうから、わかるまで何回でも見に来てね作戦


個人的には、こっち?


こんな状況で劇場に来るのは、同じ演目を何度も見るよっぽどのファンばかりですから、どうせなら歯ごたえ?のあるお芝居を楽しんで見るたびに考察を深めてね、作戦?


木場理事長は、東大法学部卒でいらっしゃいますから、説明不足の脚本でも豊富な教養で補って理解できるのかもしれませんけれども・・・