宝塚 ライビュ専科の地方民のブログ

宝塚を「好き」という気持ちを因数分解してみたい、という思いで綴っています

タイトル(仮)なら今の時世に『斜陽の国のルスダン(仮)』は変更しては?


亡国の危機、王家に生まれし運命、そして…ただひとつの愛



浪漫楽劇

『斜陽の国のルスダン(仮)』

~並木陽作「斜陽の国のルスダン」より~

脚本・演出/生田 大和


2017年にNHKのオーディオドラマで放送され、13世紀のジョージア(旧グルジア)を舞台としたドラマティックな歴史ロマンとして好評を博した並木陽氏の小説「斜陽の国のルスダン」を、浪漫溢れるミュージカル作品として宝塚歌劇で舞台化致します。


人質としてジョージア王国へ送られたルーム・セルジュークの王子ディミトリ。


幼き頃より共に育ったジョージア王女ルスダンと心を寄せ合う彼は、モンゴル軍との戦闘に斃れた前王の遺言により、女王として国の命運を担うルスダンの夫となる。


その出自ゆえ政に関わることを許されないディミトリは、ルスダンの良き相談相手として生きることを決意。


しかし、平穏な日々を過ごす二人の前に、亡国ホラズムの王ジャラルッディーンが立ちはだかる。


ルスダンを、そして彼女の統治する王国を守る為立ち上がるディミトリだったが、二人の絆は引き裂かれて行き……。


運命に翻弄されながらも、ただ一人の女性への愛を貫き、激動の時代を颯爽と駆け抜けた青年の生き様を描く。




えーっと、この公演解説を1回読んでするっと「よっしゃ、わかった」ってならなかったので、ちょっと補足。


2017年にNHKのオーディオドラマで放送されたときの解説のほうがわかりやすい。



【あらすじ】

東欧コーカサスに位置するグルジア(現在の国号はジョージア)。東西文明が激しく交錯する中、命脈を繋いできた小国である。


その栄光が翳りを見せはじめた中世、女王ルスダン(花總まり)は、欧州で初めてモンゴル軍の脅威に直面し、西欧に警告を発したことで歴史に名を刻む。


さらに、モンゴルに滅ぼされて西へ活路を求めたホラズム帝国の大軍に脅かされても、ルスダンは誇りを失うことなく王国を双肩に担う。


戦いに満ちた治世を支えるのは、“運命の恋人”ディミトリ(海宝直人)。幼いころイスラム教国から人質としてグルジアに送られてきた幼馴染である。


国家や民族や宗教を超え、愛に命を燃やす女王の姿を想像力豊かに描く時代ロマン。


チンギス・ハーンが起こしたモンゴル帝国が、西へ東へと勢力を拡大していたころ。日本も元寇(1274年文永の役、1281年弘安の役)で大変でしたね。


お話の舞台は、元寇のちょっと前くらい。


ヒロインのルスダン(Rusudan、1194年 - 1245年)は、実在したグルジア王国の女王(在位:1223年 - 1245年)。


グルジア(現ジョージア)がどこにあるかというと、トルコがぬっと左に突き出ている付け根の、ちょっと右上。


いわゆるコーカサス(カフカス地方)と呼ばれる一帯にあり、歴史上キリスト教徒とイスラム教徒が入り乱れるエリアで、チェチェン共和国、南オセチア自治州、ナゴルノ・カラバフ自治州など、紛争を抱える地域が多数あります。




『斜陽の国のルスダン(仮)』の時代には、グルジアは宗教的にはキリスト教(正教徒)でしたが、周りはルーム・セルジューク朝などイスラムの国があり、さらに東からはモンゴルの脅威が迫っていました。


ルーム・セルジュークの王子ディミトリはイスラム教徒、ジョージア王女ルスダンはキリスト教徒、ということで、キリスト教国のグルジアでは難しい立場だったでしょう。


ルスダンにはギオルギ4世というお兄さんがいましたが、モンゴルと3度戦って3度敗れました。これは、キリスト教文明に属する地域がモンゴル軍からの猛攻を受けた最初でした。


兄は死に、ルスダンが国を引き受けます。結局モンゴルは兵を引きました。


が、今度はモンゴルに滅ぼされた亡国ホラズムの王ジャラルッディーン(イスラム)が攻めてきます。


イスラムとモンゴルに囲まれて奮闘する『斜陽の国グルジアの王女ルスダン』の話なのですが・・・




補足:現代のグルジア


1992年、旧ソ連から独立したグルジアは、2008年、ロシアへの編入を求めるグルジア国内の南オセチアに軍を進めました。ロシアもグルジアに侵攻し、対立。


日本政府は国名の呼称を「グルジア」としていたが、2015年(平成27)4月から「ジョージア」に変更しています。







いまのご時世、ねえ。(上演時の状況はわかりませんが)


友達を誘う時に「斜陽の国のルスダン」を見にいかない?って、ルスダンが誰か知っている人、相当レアですよ。男か女か、そもそも人名か否かも不明ですよ。


「斜陽」って、なんか悲劇の歴史というより、不景気にあえいでいる感じが・・・


せめて、タイトルを変えません?原作ものでも、映像化時にタイトル変更ってよくある話ですよね。



てか、生田先生、何でいつもタイトルが最初(仮)なの?


これも最初「シャーロック・ホームズ(仮)」だったよね。