宝塚 ライビュ専科の地方民のブログ

宝塚を「好き」という気持ちを因数分解してみたい、という思いで綴っています

宝塚が踏ん張っているのは2.5次元ブームのおかげでもある



宝塚で夢介 氷川きよしオスカルなお江戸 逆じゃね?


最近


「夢介千両みやげタイプのお話は、明治座の演歌歌手座長公演にお任せすればいいのに」


「そういえば、宝塚でベルばらいつ再演?」


という声をよく耳にしますが、


当の明治座は、氷川きよしがオスカル様みたいになっていた。





1:00すぎ、元月組トップ彩輝なおさんのオスカル?っぽいお姿も

Antim Ardaas - Sidhu Moose Wala


氷川マリー・・・


氷川きよしさん、2000年2月2日、『箱根八里の半次郎』で演歌歌手としてデビュー。


デビューした頃は「声量やこぶしなど歌唱技術は凄いけど、感情表現に課題が・・・」とか、某ハンガリーのピアニストさんへの評価と似たようなことを言われていましたが、


40歳を過ぎてアンドロギュヌス的変容をとげ、チェロの音響でビオラの音域を奏でるような、男役の男性版のような無二の艶をまとう声色となりましたね。


お芝居・・・まあ、研23で初の女役?ですものね(笑)



座長 氷川きよし 稽古場密着!! 明治座6月『氷川きよし特別公演』






過去の氷川座長公演の芝居は、股旅物などの時代劇だったが、今回は初の現代劇。病身の母を支えるためコンビニ店員をしながら歌手を目指す子門慧音(しもん・けいと=氷川)が、革命前夜のフランスに紛れ込み、騎士やメイド、怪盗、王女、衛兵など計6役を演じ、方々で人助けをする物語だ。


注目は、やはりオスカル風衛兵「マカロン」役。ファンファーレとともにりりしく登場し、「剣の舞」を披露すれば、深紅のバラが散るミラクルも。


共演の彩輝なおは、宝塚歌劇団での初舞台を「ベルサイユのばら」で踏み、オスカルも演じた元月組トップスター。


氷川と交互にマリー・アントワネット風ドレス、オスカル風軍服になり、その入れ替わりも楽しい。


宝塚は2.5次元ブームに支えられている


明治座=演歌歌手による「コメディお江戸でござる」みたいな和もの芝居と歌謡ショー


と思っていたら、



中川晃教が初披露!ミュージカル『チェーザレ 破壊の創造者』製作発表~歌唱編~│エンタステージ


明治座が漫画原作ミュージカルを制作し、2023年1・2月に公演(脚本は元宝塚の荻田浩一)



ブロードウェイミュージカルの日本語上演の聖地、帝国劇場では、


2023年2月・3月は、少年ジャンプ+連載の人気漫画「SPY×FAMILY」をミュージカル化。





帝国劇場ではこれまでも


「王家の紋章」

ミュージカル『王家の紋章』2021年公演ダイジェスト映像


「千と千尋の神隠し」


などを舞台化していますが、これらは手塚治虫の「ブラック・ジャック」的な、何十年も前に発表されて評価の定まった、巨匠の古典枠のマンガだと思うんです。


東宝が帝劇で、今現在ジャンプで連載されているマンガのミュージカル化に挑む時代になってきたのですね。


日本のミュージカル界のレパートリーは、海外ミュージカルの翻訳上演がメインでしたが、


2.5次元ミュージカルが増え、収益が出るようになれば、役者、演出家、脚本家、ステージ衣装、装置、作曲家等へのニーズが増し、需要のあるところに才能は集まってくる。



宝塚が100周年の2014年のブーム後も観客動員を伸ばし、コロナ禍の現在も東京ではチケットを売り切っているのは、2.5次元ミュージカルが、ミュージカルファンの裾野を開拓し続けてくださったおかげでもあるのかもしれません。



あと、ブロードウェイも最近はラップミュージカルばやり。「井上芳雄的歌唱」に向いている曲調の新作ミュージカルが少なくなっている。




Broadway Musical「IN THE HEIGHTS イン・ザ・ハイツ」2021年版/舞台映像スポット



宝塚の舞台にも徐々にラップの波がきておりますが、


・・・


「望海風斗的男役歌唱」がどうにも向いていないスターは、ラップ調ミュージックでどうにかする、のも一案かも。