宝塚 ライビュ専科の地方民のブログ

宝塚を「好き」という気持ちを因数分解してみたい、という思いで綴っています

『FLY WITH ME』感想 リアル男が男役してる!(笑)



LDH JAPANのライブの企画・演出を手がけるクリエイティブチーム・TEAM GENESISがプロデュースを、野口幸作が構成・演出を手がける、真風涼帆コンサート『FLY WITH ME』をライビュで堪能してまいりました。






約2時間のコンサートでは、白濱亜嵐(GENERATIONS from EXILE TRIBE / EXILE / PKCZ)が書き下ろしたメインテーマ曲「FLY WITH ME」をはじめ、「Choo Choo TRAIN」から「シトラスの風」まで多彩な楽曲が披露されたほか、真風のこれまでの歩みをコミカルに描いた芝居パートでは、客席から笑いも。


また、8月から11月にかけて、兵庫・宝塚大劇場と東京・東京宝塚劇場で上演される「TAKARAZUKA MUSICAL ROMANCE『HiGH & LOW -THE PREQUEL-』」の登場人物に扮した出演者たちが、一足先にナンバーを歌唱した。


三代目 J SOUL BROTHERS from EXILE TRIBEの「R.Y.U.S.E.I.」を宝塚歌劇ならではのボレロアレンジで送るなど、全編を通して宝塚歌劇×LDH JAPANのコラボレーションを堪能できる内容となっている。



いやーっ。カッコよかった。


管理人は、ショーについては未だ見る目がありません。以下はどっちかというと、「宝塚」と「LDH」のコラボに感じた比較文化論みたいな感想です。




ホンネ感想 LDH音楽=だんじり論


前半は、個々の曲というコンテンツのみならず、LDHのクリエイティブチームが世界観の土台となる「フォーマット」を提供してくださった上に、男役の中の男役、真風涼帆が挑む企画。




映画『HiGH&LOW THE WORST X』Special Trailer〔最凶軍団PV〕【9.9(Fri.)ROADSHOW】


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正直、白濱亜嵐さんが書き下ろしたメインテーマ曲「FLY WITH ME」。


この間まで、宙組でワイルドホーンさんの流麗な展開の曲に浸っていたせいか、


白濱亜嵐さんの曲は、パートごとのサウンドはカッコイイんだけど、「イントロ~Aメロ~Bメロ~サビ」の展開があんまりスムーズに流れず、つっかえるような感覚があって、個人的には趣味に合わず。



『HiGH & LOW -THE PREQUEL-』」の登場人物に扮したシーンでは、


「ライビュ会場のイオン宇多津前のさぬき浜街道で、こんなヤンキーがよくバイクで走っているわー(暴走しているという訳ではないよ)」


そもそもイオン宇多津のスーパーコーナーは、「昔やんちゃしてた人が今は良きパパになって、子供と買い物してます。ママが妹と待ってるから帰ろうねー」みたいな人だらけだわ。


LDHの世界は、地方民の自分にとってあまりに身近なカルチャーで、どうにも「憧れ」ではないのだなー💦





MCを挟んで、真風氏が熊本のパン屋でバイトしていた時代からを「事実を大幅に脚色した」コントシーンあたりからは、馴染みある宝塚のフォーマットで大いにほっとしました(笑)



宙組公演『シャーロック・ホームズ-The Game Is Afoot!-』『Delicieux(デリシュー)!-甘美なる巴里-』初日舞台映像(ロング)




タカラジェンヌがLDHの世界に挑戦しているのを見て気づいたのは、


LDHのEDM(エレクトロニック・ダンス・ミュージックサウンド)が、地方のマイルドヤンキー層にウケているのは、


ものすごく土着的なもので例えると、田舎の太鼓祭りのだんじりの「鳴り物」をイマドキのサウンドでアレンジした、エレクトロニック・ダンジリ・お囃子


だんじり

2年ぶり!岸和田だんじり祭


エレクトロニック・ダンジリ

https://www.youtube.com/watch?feature=player_detailpage&v=4-Gw0TAM6-Q


バイクはだんじり。

「丘の上のジョニー」男役にしかできない男らしさ


真風氏のパフォーマンスで一番印象的だったのは、階段に足をかけて


「丘の上のジョニー」を歌う背中。


石原裕次郎かよ!



石原裕次郎/石原裕次郎リサイタル映像「二人の世界」


唐突な例えですが、


男役が裕次郎っぽくできるって、凄いことですよ。


石原裕次郎さんって、「ええとこの坊ちゃんで、ちょっと不良の次男がふと見せる、さびしい笑顔」風味が魅力だったんですよね。英国のハリー王子みたいな。


ええとこの坊ちゃんなのが大事。びんぼークサいのは夢が無い(笑)



肩肘張ってカッコつけているチョイ悪オトコの、ちょっと寂しい背中。


この戦後日本の大スター石原裕次郎をプロデュースし、彼に「男のカッコよさ」を徹底的にたたきこんだのは、


実は戦前の男装の麗人、水の江瀧子さんでした。





56年に映画「太陽の季節」を製作した際、原作者石原慎太郎氏の弟の故石原裕次郎にスター性を見いだして主人公の友人役で起用した。


「自分がこれと思った人は何と言っても育てたかった」という水の江さんは、裕次郎を「狂った果実」の主演に抜てきし、赤木圭一郎、浅丘ルリ子、故岡田真澄、和泉雅子、津川雅彦らを発掘してスターに育て上げた。


ええとこのイケメン次男坊が、伝説の男役直伝の「男役芸」をやったわけです。そりゃカッコいいわ。


その裕次郎の面影を、令和の男役の中の男役が、舞台によみがえらせた!


凄いものを見せてもらいました。