タイトルでネタバレ『ディミトリ~曙光に散る、紫の花~』
『斜陽の国のルスダン(仮)』改め『ディミトリ~曙光に散る、紫の花~』
今ちょうど並木陽作「斜陽の国のルスダン」を半分くらいまで読んでいる管理人です。
人質としてジョージア王国へ送られたルーム・セルジュークの王子ディミトリ。
幼き頃より共に育ったジョージア王女ルスダンと心を寄せ合う彼は、モンゴル軍との戦闘に斃れた前王の遺言により、女王として国の命運を担うルスダンの夫となる。
その出自ゆえ政に関わることを許されないディミトリは、ルスダンの良き相談相手として生きることを決意。
しかし、平穏な日々を過ごす二人の前に、亡国ホラズムの王ジャラルッディーンが立ちはだかる。
ルスダンを、そして彼女の統治する王国を守る為立ち上がるディミトリだったが、二人の絆は引き裂かれて行き……。
運命に翻弄されながらも、ただ一人の女性への愛を貫き、激動の時代を颯爽と駆け抜けた青年の生き様を描く。
管理人は記事を書くにあたって、一応、ネタバレには気を遣わないといけないよなあ、と思ってはいます。
「どこからがネタバレなのか」の定義は難しくて、「マリーアントワネットが最期ギロチンで処刑されるなんて知らなかった!」という方もいるかも知れません。
管理人は高校の世界史で習うような歴史的事件に基づくお話や、「心中・恋の大和路」のように文学史上有名な作品で、タイトルが2人の結末を予見させるような作品については、主演コンビのラストの生死や顛末に言及していますが、
『ディミトリ~曙光に散る、紫の花~』
ディミトリ死んじゃうんだ・・・
生田先生にネタバレされたー
うあああああん もう読む楽しみが無くなったあああ
というか、
礼さん辞めちゃうのーーーーーーー!!
冗談です。
今作で礼さんが辞めて、〇さんが2番手1作で次期トップなんてあるわけないとファンならわかるから、こんなタイトルもつけられるのでしょう。
当初発表されたタイトルは「斜陽の国のルスダン(仮)」
生田先生、(仮)は何だったんですか・・・
途中まで読んだ感想
原作の「斜陽の国のルスダン」は、東方正教会に属するジョージア(旧グルジア)とか、イスラム国のルーム・セルジュークとか亡国ホラズムとか、
世界史Bでも習ってないよ!
そもそもルーム・セルジュークとか亡国ホラズムとか、地球のどこにあったのよ!
な場所を舞台にしています。
が、本作は歴史的な事件にはあまり深入りせず、
中央アジアのエキゾチックな風俗、異国の吟遊詩人にも歌い継がれた美貌の女王と、心優しき王子との純愛ラブロマンスを、
異文化の見慣れない横文字の固有名詞などをなるべく使わず、画数の多い漢字も少なめの軽妙な文体で綴っており、
流行りの異世界ファンタジーラノベ感覚でさくさく読めます。世界史Bの教科書の10倍読みやすい(笑)
作中、紫のリラの花影に主人公ディミトリが初登場するシーン
五月 だっ た。 ジョージア 王国 の 都 トビリシ、 イサニ の 王宮 には まばゆい ほどの リラ の 花 が 咲い て い た。
ルーム・セルジューク の 王子 は、 木々 の 陰 に 片膝 を 抱え て 座っ て い た。
根元 近く から たくさん 咲い て いる 紫 の 花 と 青々 と 茂っ た 葉 が、 彼 の 姿 を 隠し て くれる。
余所者 で ある 彼 にとって、 トビリシ の 王宮 は 息 が 詰まっ た。
並木 陽. 斜陽の国のルスダン (p.11). Kindle 版.
イスラムの国の第4皇子として生まれ、人質としてジョージアに送られ、イスラムの出身ゆえスパイの恐れありと見なされ国政に参加できなくとも、妻である女王ルスダンを支え続けるディミトリ。
リラは咲く 思いを残して リラは咲く 異郷の隅に
ことづてを頼む鳥さえも 通わない異郷の隅に
容赦なき大地と 容赦なき嵐に 似ても似つかぬ枝になっても
時がくれば 花は香る
中島みゆき 「リラの花咲く頃」
何より純愛なのがいいわね。
宝塚は「清く正しく美しく」と言いながら、5作中3作は不倫しているもんね。
夏休み、観劇予習をかねて、お子さんの読書感想文に如何でしょう。
- 斜陽の国のルスダン
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ジョージアってどこよ?はこちらの記事で