新人公演の配信に踏み切った功罪
花組『巡礼の年〜リスト・フェレンツ、魂の彷徨〜』宝塚大劇場での新人公演を、無事に開催できたようですね。よかった!
新人公演 主な配役
フランツ・リスト 侑輝 大弥(102期)
マリー・ダグー伯爵夫人 星空 美咲(105期)
フレデリック・ショパン 鏡 星珠(106期)
ジョルジュ・サンド せあ 太凰 旬(102期)
東京での花組新人公演は、『A Fairy Tale -青い薔薇の精-』以来上演出来ていないという・・・2019年ですよ。明日海さんまだ現役でしたよ。
聖乃 あすか、都姫 ここ、帆純 まひろがメインですよ。もうふた昔前のことのようです。
今度こそ、東京での新人公演開催&配信を!
さて。新人公演の配信が解禁されたのは、縣千主演、『CITY HUNTER』-盗まれたXYZ-
東京新人公演からでした。
縣はそれから半年くらいの間に、主演新人公演配信2回、初バウも配信され、新人公演配信世代のスター第1号となりました。
英断、ありがとうございました!
本当に、新人公演やバウどころか、本公演にも年に数回しか行けないライビュ専科が、贔屓の成長をリアルタイムで応援できるのも、配信さまさまでございます。
が、新人公演の配信、いいことばかりかというと・・・
新人公演配信解禁でよかった点
・これまでは「新人公演のチケットを買うようなコアなファン」だけが見ていた新人公演が、ライトファンや地方民、誰でも見られるように開放された。
・平日、仕事を定時で切り上げたらギリ見られる時間帯なので、社会人ファンも視聴しやすい。
・地方出身のジェンヌが、地元の家族や知り合いに「見てね💛」と言いやすくなった。ジェンヌの祖父母など、お年を召して遠出しずらい年代の身内の方にも、嬉しいものだと思います。
・入り出やお茶会を出来ない中、新人たちがライトファンにも広く顔を知ってもらい、SNSで魅力を語ってもらいやすくなった。
配信の罪
・新人公演配信解禁第一弾公演で、いきなり縣千の歌唱力がヅカファン中に知れ渡った。
💦私は縣の歌の伸びしろを信じていますけれども💦
いやまあ、罪では無いですね。
お金をとって芸を披露して、批評されるのは当たり前です。
特に男役の発声、音域って、外部のプロの女性歌手はまず挑まない独特な歌唱法で、習得に時間がかかるジェンヌもいるでしょう。(あるいは身体的に、男役発声にどうにも向いていない人もいるでしょう)
まだ上達途中のジェンヌの歌唱も、容赦なく公衆の前にさらされ、批評される。
「娘の成長を見守るような目で見るファン」以外の層も新人公演を見て、SNSであーだこーだ言うようになった。
⇒叩かれにくい、歌唱力重視、「最初からある程度出来上がっている子」ばかりを上げる傾向になると、スターが似たような個性の子ばかりに・・・でもまあ、配信第1号が縣だしな。
・下級生のうちから、主演者ごとの「配信の視聴者数」などがシビアにわかるようになった。
新人公演複数回主演者は、前回の新人公演主演時と比べられ、下級生が主演した新人公演の配信視聴者数とも比べられ、それが初バウをとれるかどうかの判断に繋がる可能性もある。
・SNSでのバズりが人気の基準に?
これまではブロマイドも出ていない下級生の人気は、入り出の人数とか、会ががんばってチケットを捌けるかとか、コアなファンによる「会の力」が指標だったのが、
会活動がほとんどできなくなった今、配信を見たライトファンがSNSで話題にして、次世代のスターを選ぶ時代にシフトした。
大劇場公演は、宝塚ファンなら見たい人はほぼ観劇しているでしょうが、新人公演はこれまで4,500人くらいのコアなファンしか見ていなかったわけで、SNSでの話題度も段違いだったでしょう。見ていないものは話題にできないですからね。
これは結構大きな変化ではないでしょうか。
ある意味、NiziUの虹プロジェクトとか、昔の「スター誕生!」みたいなことを宝塚でもやるようになった。
さて、新時代、これからの若手スターはどんなタイプの子が選ばれるようになるのか?