トップガンよかったよ!宙組で見たかったー
※この記事には「トップガン・マーベリック」上映開始から30分くらいまでの間に映画で提示されるネタバレを含んでいます。ラストはネタバレしていません。
1986年、アメリカ海軍のエリート・パイロットチームの隊員たちの、過酷な訓練と青春を描き大ヒットした映画“トップガン”
あれから36年もの年月が過ぎて作成された続編「トップガン・マーベリック」を鑑賞してまいりました。
あらすじ
トム・クルーズが演じるのは、天才的操縦技術を持つが、上官命令を無視しがちな一匹オオカミ気質の問題児パイロット。コールサイン(戦闘機パ イロットが無線で呼ばれる名前)はマーベリック。
前作から30年以上がたち、マーベリックは数々の軍功をあげるも、たいして出世せず、現役パイロットとして現場で命をかけている。
おりしもアメリカ海軍は、軍事予算の重点を無人ドローン開発にあて、ごく少数のエリートパイロットを育成するトップガン方式は縮小しようとしていた。
そんな中、マーベリックは勝手に実験機を操縦して、マッハ10突破に挑戦!とかしているので、厄介者扱い。
かつてのトップガンの仲間で、今は太平洋艦隊のトップまで出世したトム・“アイスマン”・カザンスキー海軍大将のとりなしでなんとかクビは免れ、
今度は“トップガン”教官の任務を務めることになる。
特殊任務のために集められたトップガン出身者12人の中に、かつてのトップガン仲間で訓練中に亡くなった”グース”の息子、ブラッドリー・ブラッドショウ(ルースター)がいた・・・
感想その1
・CGではなく、存在して質量を持ち、重力に逆らうものの存在の重さ
前作は1986年に公開された映画で、大迫力のF14戦闘機の操縦シーンや、エリート軍人たちの厳しい訓練や垣間見える軍事基地での暮らしぶり、仲間との友情、恋愛、といった王道ハリウッド映画のつくりがすばらしく、大ヒットしました。
今作は、最新のCGを使用しながらも、アメリカ海軍の全面協力のもと、最新の戦闘機(もう世代はF/A-18E/Fスーパーホーネット)の実機が、本物の空母のカタパルトから大空のハイウェイにドライブ!
どんなにCGが発達しても、
人が作った巨大な人工物が、この世にドーンと質量を持って存在している説得力、
巨大な質量が、重力に逆らって飛ぶということの説得力にはかなわないね!
派手な空中戦も見ものですが、今回の任務は、
”某ならずもの国家が、山に囲まれた谷底の施設でウランを濃縮しているので、施設を爆破しろ”
というもの。
高い高度から爆弾を落とせば、敵の対空ミサイルに狙われる。
あえて山肌すれすれの低空飛行で山を越え、谷を抜け、施設を爆破すれば、対空ミサイルをかわして突破できるが、
一歩間違えれば山肌に衝突するし、急上昇するときの地上の10倍にも及ぶGで気絶する可能性もある超危険で困難な任務である。
映画『トップガン マーヴェリック』フィーチャレット映像("胸熱"トレーニング篇)
役者たちは、実際に軍事訓練を受け、空中戦シーンは飛行する戦闘機に乗り込んで演技し、内部にあるカメラで撮影したそうです。
パイロットが急上昇時のGに耐えているシーンは、本当に地上の8倍ものGで肺を圧迫され、脳に酸素が満足に届かない中、必死で意識を保っていたとのこと。
どんな綺麗なCGも、存在して質量を持ち、重力に逆らうものの存在の重さには、かなわないんだなあと思いました。
感想その2
・人は「カッコイイ戦闘機」よりも「人間が戦闘機に乗る理由」に惹かれる
戦争映画やミリタリーもの大好きな方向けの映画では?と思う方もいるかもしれません。
この映画は
戦闘機よりもパイロットに、美しい映像よりも生身のニンゲンに、「カッコイイ戦闘機」よりも「人間が戦闘機に乗る理由」にきちんとフォーカスを当てていました。
天才肌一匹狼気質のパイロットに、教官役ってどうよ?と思ったら、
悩みながらも、マーベリックは生徒一人ひとりに目を配り、厳しい訓練にも「教官自ら鬼役!失敗したら腕立て伏せ200回!」の空中鬼ごっこ(ドッグファイト)訓練とか、
生徒が失敗したら、その理由を生徒たちに忌憚なく討論させ、自ら考えさせる指導ぶりとか、よき教官である。
マーベリックは前作で親友”グース”を亡くし、今はグースの息子のブラッドリー・ブラッドショウがトップガンを卒業してエースパイロットとなっている。
マーベリックの軍人としての任務は、メンバーを教育し、死のリスクが高い任務に就く兵士を選抜すること。
親友の息子を、死なせたくない。
教官にできる最良のことは、彼の死のリスクを低減するために、きちんと教えること・・・
・・・いっそ、彼を選抜メンバーから外すことが、亡き親友への義理を果たすことなのか。
マーベリックと亡き親友の息子との、教官としての、父親代わりとしての、そして共に任務を遂行する同士としての関係性がきちんと描かれていて、見ごたえがありました。
戦争映画好きの方のみならず、宝塚ファンにも広くおすすめできる娯楽映画大作でした。
最新の映像効果を駆使した映画ですが、あえて1980年代ハリウッド映画のフィルムで撮ったようなざらっとした画質に設定していたり、オレンジの逆光の中、懐かしのあの主題歌もばっちり流れて、
映画『トップガン (1986)』本編オープニング映像特別公開!
往年のファンも違和感なくあの「トップガン」の世界に浸れます。
ぜひ映画館の大画面、大音響でいかがでしょう。
蛇足のホンネ
あー、今度の宙組、ヤンキー映画より、「トップガン」第1作のほうで見たかったー
(妄想だけならタダが信条の管理人)