宝塚 ライビュ専科の地方民のブログ

宝塚を「好き」という気持ちを因数分解してみたい、という思いで綴っています

植田紳爾先生"90歳を前に新作”って?


植田伸爾先生とベルばらと戦争体験



「演出家 植田紳爾」

初回放送日: 2022年9月23日


ゲストは演出家の植田紳爾さん。代表作は宝塚歌劇で上演された「ベルサイユのばら」だ。


マリー・アントワネットを通して植田さんが描こうとした「人間の業」とは。


強さ、弱さ、怖さ、愚かさ…人間が抱える複雑さを見つめる植田さんの原点は、少年時代、疎開した福井にあった。


福井空襲の後、遺体を運ぶ作業の中で、人間のある面に気づいたという。


そして、90歳を前に生み出そうとしている新作に込めた思いを聞く。



NHK総合1 9月23日(金)午前7:30 ほか 放送予定



・・・うーん。ベルばら50周年、宝塚でも上演?


演出家は代替わり?それとも・・・


といろいろ憶測が飛び交っておりますが・・・


NHKでの9月23日(金)午前7:30の放送で、情報解禁?



・・・ああ、幻聴が聴こえる。



えええええ 植えじい続投?



贔屓の組には来ないでええええ



あんなもん、西洋の歌劇というより、歌舞伎じゃん!古くさー!





まあまあ。


私だって、宝塚版の「ベルサイユのばら」の演出については、カーテン前の説明セリフが多いとか、舞台機構の動きが乏しいとか、フェミニズム的にそのセリフどうよとか、いろいろ言いたいことはあります。


「今宵一夜」


「バスチーユ」


「マリーアントワネットの最期 牢獄で、お人形が私で、私がお人形で・・・」


名場面とされているけれど、セリフとか動きとか、原作に無いよ!なところも多い。



アニメの実写化で「原作に忠実であること」を求める層にとっては、宝塚版「ベルサイユのばら」には、演出家植田伸爾の色が前面に出過ぎている、という意見もあるでしょう。



1933年生まれ、終戦時12歳の植田伸爾先生と、戦後の1947年に生まれた池田理代子先生とでは、「戦争体験世代」「学生運動世代」という違いがある。


植田伸爾先生の「戦争体験世代」の眼は、特にオスカル編に顕著で、


パリの下町の貧乏の悲惨とか、衛兵隊にも十分に食べ物が無いとか、パリの民衆が兵隊や王室を目の敵にしている描写とか、


戦争で福井に疎開して、リアル「火垂るの墓」を体験した植田伸爾氏のリアルを感じます。


(1960年代~1970年代のマンガやアニメ「巨人の星」とか、「あしたのジョー」とか「ファーストガンダム」とかの、あの貧乏)


特に宝塚でのベルばら初演の1974年は、まだ客席に戦争を体験した方がたくさんいらした。


「夢の世界」の宝塚で、革命ドラマ「ベルサイユのばら」を、ただの恋愛劇にせず、戦いの中での、人の強さ、弱さ、怖さ、愚かさを伝えたい、と50年思い続けている植田先生は、骨のある方だと思います。


それゆえ、再演のたびに重くて暗いシーンが増えているのかもしれませんが・・・






「ベルサイユのばら」などの演出を手掛けた宝塚歌劇団の特別顧問植田紳爾さんの胸には、ある光景が刻まれている。


1945年7月19日深夜の福井空襲から一夜明けた市街地の壊滅的な惨状。


「極限に直面したら人はどうなるか、人間の業の悲しさを12歳で知ってしまった。たった数時間の経験で人生を変えられました」


植田伸爾先生は、NHK総合1 9月23日(金)午前7:30の放送では、どのようなメッセージを語られるのでしょうか。