宝塚 ライビュ専科の地方民のブログ

宝塚を「好き」という気持ちを因数分解してみたい、という思いで綴っています

礼真琴在団中に海外公演をしないのは損失だ




ロンドンのトップミュージカル女優さんに、ミュージカルの魅力の根源を教えられた


NHKで放送されていたクラシックTV スピンオフ特番「ミュージカルTV」を視聴しました。


NHKプラスで 11/10(木) 午後9:59 まで配信中です


公式サイトより番組紹介


井上芳雄が語る「なぜミュージカルは人を引き付けるのか?」

▽鈴木愛理も感激!清塚信也の創作ミュージカル大実験!

▽ケリー・エリス圧巻の歌声「ウィキッド」

▽アンドリュー・ロイド=ウェバー独占インタビュー!巨匠が語る自身の創作

▽濱田めぐみ本邦初公開の楽曲を披露!

▽大河出演でも話題!柿澤勇人が熱唱「ジキル&ハイド」

▽井上さんも激賞!海宝直人が歌う「ノートルダムの鐘」

▽「トゥナイト」ほか往年の名曲も!



番組内で、出演者の方たちが「ミュージカルはなぜ人を引き付けるのか?」について解説してくださっている内容が、興味深かったです。




ミュージカルが観客を引き付けるキモは、舞台で繰り広げられている物語をいかに「他人事」でなく「これは、自分ごとだ」と思わせることができるかどうか。



① I WISH SONG


「たとえ王家に嫁いだ身でも 命だけは預けはしない♪」


映画やTVドラマの演技でのセリフではなかなか聞けない、実際には口にしていない主演者の心の声、切なる願いを、


ミュージカルでは音楽の力で、お客様だけにそっと教えてあげる。


観客と秘密を共有することで、お客さんを登場人物の味方にして、作品世界に引き込む。




② 感情の爆発


リアル社会は「思っていても、人前では飲み込まなくてはいけない」言葉だらけ。


「ちくしょう、ちくしょう、貧乏から抜け出してやる!」


ミュージカルはフィクションの物語の中で、抑圧されている感情を音楽の力を使ってさらけ出し、爆発させる。


観客はそれを見て、自分の感情も解放される。



こんな説明をした後に、ロンドンのミュージカル界で活躍するケリー・エリスさんが、



「ウィキッド」より、「defying gravity」という、「西の悪い魔女-」という汚名を着せられ追い詰められた魔女が、追手から逃れて大空に飛び立つシーンで歌う


「重力に逆らって」


というナンバーを絶唱する。


ケリー・エリスさんの圧倒的な声量そのものが持つ熱量の大きさ、歌詞の全ての音節に対する細やかな装飾音の入れ方、


音楽そのものが持つドラマ性の魅力を、この上なく引き出して観客に教えてくれる、素晴らしい歌唱でした。


ミュージカルは、爆発だ!


これが、ミュージカルの本場の歌手の力か!



宝塚で、このレベルの歌唱をできるトップさんは、


礼真琴さんを置いてほかにいない。


次の世代、100期以降の路線スターを見ても、礼真琴さんレベルの歌唱力・・・


いつ海外公演やるの。礼真琴在団中でしょ。


最近の宝塚の海外公演はWikiによると


2013年 - 台湾公演
演目:星組『宝塚ジャポニズム〜序破急〜』『怪盗楚留香外伝-花盗人-』『Étoile de TAKARAZUKA』


2015年 - 第2回台湾公演
演目 :花組『ベルサイユのばら』 『宝塚幻想曲(タカラヅカ ファンタジア)』


2018年 - 第3回台湾公演
演目:星組『Thunderbolt Fantasy 東離劍遊紀』『Killer Rouge/星秀☆煌紅(アメイジングスター☆キラールージュ)』


台湾では、今もライブビューイングが、3か所もの映画館で実施されている。台湾公演で掴んだファンたちが、ライブビューイングに通ってくださっているのでしょう。


コロナがなければ、もう、第4回の台湾公演が行われた世界線もあったのかな。


礼さん、何度も全ツを回り、フレンチミュージカルにも挑み、


次は、海外公演でしょ。


難しいだろうけれど、礼さんの任期中に、どうにか海外公演が実現しないものでしょうか。