宝塚 ライビュ専科の地方民のブログ

宝塚を「好き」という気持ちを因数分解してみたい、という思いで綴っています

トート閣下の休日『Death Takes a Holiday』



ブラッド・ピットにもよろしく



ミュージカル

『Death Takes a Holiday』

Book by Thomas Meehan and Peter Stone

Music and Lyrics by Maury Yeston

Based on the dramatic play by Alberto Casella

and rewritten for the American stage by Walter Ferris

and originally produced by the Messrs. Shubert

潤色・演出/生田 大和


『ファントム』『グランドホテル』『タイタニック』『ナイン』等の音楽を作曲したモーリー・イェストンが作詞・作曲を手掛けたミュージカル『Death Takes a Holiday』は、2011年にオフ・ブロードウェイで初演され、2011年~12年ドラマディスクアワードの11部門にノミネート。


映画「明日なき抱擁」「ジョー・ブラックをよろしく」など度々翻案・映画化されヒットを重ねたアルバート・カゼーラの戯曲を元に、死と愛の超克を歌い上げた名作に、モーリー・イェストンならではの美しい旋律が絡み合う珠玉のミュージカルです。


1920年代前半、イタリア。猛スピードで走る一台の車が突如不思議な闇に包まれ、ランベルティ公爵の娘グラツィアが車外へと投げ出される。


不思議なことに、彼女はかすり傷一つ負わなかったが、その瞬間、確かに何かが起こったことを感じていた…。


その夜、ランベルティ公爵家へ死神が現れる。


何世紀にも亘って人々の魂を集めてきた死神は、なぜ人間が生きることに執着するのか、愛とは何なのかを知りたいと考え、ロシアの公爵ニコライ・サーキの姿を借りて二日間の休日を過ごすこととしたのだった。


彼の正体を知らない館の人々は、すぐさま妖しい美しさを秘めたサーキに魅了されるが、その瞳の奥に広がる闇を見た者は恐怖に慄いてしまう。


しかし、グラツィアだけは、サーキの瞳の奥に永遠の幸せと愛を見出し、サーキの姿を借りた死神もまた、彼女の瞳に同じものを感じるのだった。


互いに強く惹かれ合う二人だったが、死神の休暇はまもなく終わりを告げようとしていた。   



Show Clips: "Death Takes a Holiday"


おおお、何世紀にも亘って人々の魂を集めてきた死神と、人間の娘との、48時間だけのバカンス。


妖しい美しさを秘めたサーキの、その瞳の奥に広がる闇・・・



この物語を原作にして、ブラッド・ピット主演でリメイクすると、こうなる。



世界一スマートなブラピのナンパ術 | ジョー・ブラックをよろしく | Netflix Japan


イケメン俳優として美しさのピークにいたブラッド・ピット主演、1998年公開の映画。


管理人は、イケメン俳優主演の胸キュンラブコメとして面白く鑑賞した記憶がありますし、興行的にそこそこヒットしたと思うのですが、


1999年の第19回ゴールデンラズベリー賞で、栄えある


”最低リメイク及び続編賞”


をいただいてしまうという・・・


管理人はリメイクの元になった映画を知らなかったので、なんでゴールデンラズベリー賞をもらってしまうのかよくわからなかったのですが、


評論家が「死と愛の超克を歌い上げた原作」の映画化として見たら、物足りなかったのかあ・・・



当時の映画評によると、『サンフランシスコ・クロニクル』のミック・ラサール(英語版)は、


「ピットは観客に、彼が死と永遠の謎の全てを知っている設定だと納得させることはできなかった」


と評したそうで・・・


うん、まあ、ブラピってすげえイケメンなんだけど、アメリカンすぎるんだな(当たり前だけどね)



『インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア』も、


ハリウッドで、日本の少女マンガ『ポーの一族』を映画化!


みたいな感があったな・・・


で、元ネタとなった映画が


『Death Takes a Holiday』

Death Takes a Holiday Official Trailer #1 - Fredric March Movie (1934) Movie HD


邦訳が『明日なき抱擁』


たった6文字で、映画を見ていなくても、死と永遠の謎をそこはかとなく香らせる秀逸なタイトルですね。昔の映画のタイトルには情緒があったなあ・・・


月組の現体制で『エリザベート』上演は無いでしょうが、月城&海乃コンビでトート&シシィの代わりに、


シシィとケンカしたトート閣下の、羽休めの休日?を描く


『トート閣下の休日』


として見たら面白そうですね。