朝ドラが宝塚の現状とシンクロしすぎ問題
『ブギウギ』第3週の後半の展開
”昭和恐慌真っただ中の1933年(昭和8年)の大阪。
ヒロイン・スズ子(趣里)が所属する「梅丸少女歌劇団(USK)」は、不景気のあおりをうけ、劇団員を一部解雇、給料を2/3にカットすることを通達する。
娘役トップスター大和礼子(蒼井優)はストライキをするしかないと言い、
一方、男役トップスター橘アオイ(翼和希)は、お客様が大切だと言い、また、礼子が二度と舞台に立てなくなるのではないかと心配してストライキに反対する。
礼子は、ストライキをするかどうかをかけて、会社と最後の話し合いを行うことにする。
スズ子(趣里)はどうすればいいのか迷っていた・・・”
『ブギウギ』第3週は、
・後輩への指導の難しさ(先輩から受けた厳しい指導を、そのまま後輩に対して行う。男性の管理職は新人たちが泣きだしても「まあまあ」と止めに入らない。)
・入団しても飛びぬけた才能を発揮できず、個性や居場所を見つけられず、「その他大勢」止まりで後輩に抜かれていくストレス
・給与カットなど、恵まれない労働条件
宝塚歌劇団について予備知識が無い視聴者が、最近の報道を念頭においてこの朝ドラを見ると、
90年前の少女歌劇が抱えていた問題を通じて、2023年の宝塚歌劇団が抱えている問題が透けて見えるような印象を受けるかもしれません。
TVドラマでのストライキの結末は第4週に持ち越されましたが、現実の宝塚歌劇団の労働条件については、令和の時代になってやっと世間の人々に
「それって問題があるのでは」
と認知されだしました。
報道が全くの嘘であれば、法的処置を望みます。
そもそも、宝塚以外の芸能界でも、芸能人の自死や休養、パワハラの訴えが相次ぎ、徹夜仕事もあたりまえ、半数以上が年収300万円以下で、ケガをしても労災を認められないケースがほとんどで生活に困窮する、といった事例が報道されています。
宝塚歌劇団が、労働基準監督署から是正勧告を受けた、といったニュースは今まで無かったと思いますが、
今後そんなニュースがあったとしても、私は「驚く」とか「世間に恥ずかしい」よりも、
「公的な監督が入って、よかった」
と思って、かえって安心するように思います。
史実の桃色争議は、劇団員の要求がほぼ認められる形で決着しました。
宝塚の令和のすみれ争議の行方は?