宝塚 ライビュ専科の地方民のブログ

宝塚を「好き」という気持ちを因数分解してみたい、という思いで綴っています

『ME AND MY GIRL』水美ビルって



配信にて『ME AND MY GIRL』(ビル:水美)バージョンを視聴しました。


熱いぜ!パッション!な星組による公演ですが、主演が変わることで、舞台の味わいはがらっと変わるものなのだなあ、と実感しました。



水美ビルは、仕草、パントマイムなどのテクニックから役柄を表現し、アドリブもふんだんに観客を存分に楽しませる、花組のスター芝居。


脚本の緻密な読み込みを感じさせる心理分析よりも、舞台の上での相手役のアクションを受けての反応の積み重ねで感情を表す。




暁ビルは、彼は幼少期何歳まで母親と過ごせたのか?孤児となってからどのように裏町を生き延びたのか?サリーを貴族側に引き込むことが彼女にとっての幸せだと思っているのか?


観客に、役者が考えたプロファイリングを想像させる。



スター芝居とプロファイリング演技、優劣があるものでなく、どちらのビルも『ME AND MY GIRL』という芝居の中で存分に息づいていて、大変魅力的でした。



水美と暁、両者とも優れたダンサーです。


個人的には、歌唱力や、心理描写のテクニックという点では、暁のほうが好みです。


水美には、ただ舞台に存在することによって、観客をおおらかな気分で物語世界に遊ばせてくれるような大きさがある。宝塚のスター芝居を見る楽しみを満喫させてくれる男役って、最近は希少になりました。


次代のトップの顔ぶれを予想すると、水美タイプが足りない!


宝塚に5組トップスターがいて、いつの時代も、水美のようなトップはひとりは必要だと思うのですが、いかがですか理事長。