宝塚 ライビュ専科の地方民のブログ

宝塚を「好き」という気持ちを因数分解してみたい、という思いで綴っています

下半身どうなっているの?『Golden Dead Schiele』ポスター




オーストリアの画家、素描家。6月12日トゥルンに生まれる。1906~09年ウィーン美術学校に学び、のちクリムトの知遇を得てその影響を受けた。


09年若い同僚たちと「新芸術グループ」をつくった。


彼は主として男女の人体の病的な肉感性を、神経過敏な硬質の描線と強烈な色彩のアクセントをつけて描いた。


その大胆なエロティシズムは衝撃的で、そのため12年に拘禁されたことがある。


夢幻的な風景のほか、『女と二人の子供』(1917・ウィーン、オーストリア絵画館)のような不安に満ちた母子像の作もある。


18年10月31日ウィーンで夭折(ようせつ)。死後一時忘れられたが、近年彼の描く実存的な人間像が再評価されている。





28歳で亡くなった画家の伝記ドラマ!映画『エゴン・シーレ 死と乙女』予告編


主な配役
エゴン・シーレ:彩海 せら


そりゃそうだ、の配役ですが、彩海せらが憑依型の役者なうえに、


画像を彼女の魅力をより引き出すための微修正というよりも、史実のシーレの風貌に寄せる方向で修正しているので、


一瞬誰だかわかりませんでした💦


上半身はシーレの有名な肖像画を彷彿とさせるポーズですが、下半身はどうなっているのでしょうね?


おそらくは、シーレの伝記映画『エゴン・シーレ 死と乙女』の予告編のサムネになっている、組んだ足の上に画板を置いてデッサンするポーズを解体して、画面上で再構成しているのでしょうか。


(エゴン・シーレが活躍した時代と、ピカソがキュビズム(対象を複数の角度から幾何学的面に分解し、再構成する技法)で絵画史に革命を起こした時代はほぼ重なっています。)


ポスターの「イケメンな上半身」と「歪んだ下半身」は、正にエゴン・シーレの、現代日本でも児童福祉法34条1項6号に抵触しそうな性衝動を抱えて生き、芸術として昇華させた画業を象徴していると思います。


彼の作品の性表現は相当に際どいのですが、不思議とポルノとは思わないのです。


癒えていない火傷の包帯をほどいたような皮膚を、医療用メスのような鋭利な描線が切り裂く。


このヒリヒリとした痛みが、見る者に対象への欲情よりも、自己の内なる衝動に見つめ返されているような緊張感を感じさせる。


ただ、彼の人生をそのまま演じると、美術館で彼の作品から受ける感興よりも、週刊文春のゲスい記事を読んで「うわ…」な興ざめが勝ちそうで…



史実は大きく変えられないでしょうが、熊倉飛鳥 先生の演出力に期待しています。