宝塚 ライビュ専科の地方民のブログ

宝塚を「好き」という気持ちを因数分解してみたい、という思いで綴っています

もうちょっと、フラグぼかそうよ『ALL BY MYSELF』






彩風咲奈ドラマティック・リサイタル

『ALL BY MYSELF』

作・演出/野口 幸作


雪組トップスター、彩風咲奈の名場面を中心に構成しつつ、新たな可能性を模索する、2幕構成のストーリー仕立ての、エモーショナルかつノスタルジックなリサイタル。


郊外に建つ歴史あるレヴュー劇場スノー・ガーデン・シアターの楽屋を、編集者が訪れる。ミスター・ブルーム(彩風咲奈)の回顧録を出版するためである。


劇場のトップスター、ミスター・ブルームは長い休暇を取り、まもなく長い旅に出かけるという。


彼は世界中のさまざまな役を演じた。シェイクスピアの名作の主人公、ギリシア・ローマ時代の英雄、アメリカのギャング、カリブの海賊、日本の漫画の主人公……。


しかし、ただひとつ演じたことのない役があった。


……彼自身である。


旅立ちの前に、彼の辿った道のりを聞かせて欲しいと懇願する編集者。


やがて彼の一代記が始まる。


色とりどりの楽屋の衣装を着替えながら、ブルームは思い出の欠片(かけら)を演じて行く。


誰もが順調な道を予想した若き日の彼。


しかし、それはスポットライトに照らされた輝く笑顔とは裏腹の、血と汗と涙の日々だった。


彩風咲奈の舞台生活の軌跡と、ブルームの一代記を二重写しにしたような、メタシアター的なリサイタルにご期待下さい。   


彩風咲奈ドラマティック・リサイタル、朝美&夢白全ツ、凪七バウ、和希さよならディナーショーと、雪組まさかの4分割。


ひとまず、雪組生の大量退団は無いことに安堵しました。


しかしですよ。


”劇場のトップスター、ミスター・ブルームは長い休暇を取り、まもなく長い旅に出かけるという”


”誰もが順調な道を予想した若き日の彼、輝く笑顔とは裏腹の、血と汗と涙の日々”


”彩風咲奈の舞台生活の軌跡と、ブルームの一代記を二重写しにしたような、メタシアター的なリサイタル”


これは…


個人的に、『ベルサイユのばら』-フェルゼン編-の次までは在団するだろう、と思っていたので、正直動揺しています。


退団発表があったのに見逃していたのかと、確認してしまいましたよ。


普通、退団お察しリサイタルでも、もうちょーっと婉曲的な表現を駆使して、


ファンに「これって…」「いや、まさか…」とやきもきさせるのが、演出家の文才のみせどころであり、劇団とファンのお約束ではないですか。



リサイタルとは、”スポットライトに照らされた輝く笑顔”をお見せするものでしょう。


今のタイミングで


”輝く笑顔とは裏腹の、血と汗と涙の日々”


と銘打たれると、最近の夢の舞台の裏側を容赦なくえぐるもろもろを思い出してしまうじゃないですかぁ。



花組、月組が代替わり確定、星組は礼真琴の休養、宙組のゴタゴタ。せめて雪組はもうしばらくどっしりと構えていてもよいのでは?