宝塚 ライビュ専科の地方民のブログ

宝塚を「好き」という気持ちを因数分解してみたい、という思いで綴っています

ベルリンフィルも宝塚と似た問題を抱えていた



ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団 来日公演 (指揮 キリル・ペトレンコ)高松公演を鑑賞しました。



<プログラムA>
モーツァルト:交響曲第29番 イ長調 K.201(指揮:アバド)

Mozart: Symphony No. 29 / Abbado · Berliner Philharmoniker


ベルク:オーケストラのための3つの小品 Op.6(指揮:ラトル)



Berg: Three Pieces for Orchestra / Rattle · Berliner Philharmoniker


ブラームス:交響曲第4番 ホ短調 Op.98ペトレンコ



Brahms: Symphony No. 4 / Petrenko · Berliner Philharmoniker


管理人:高松でのベルリンフィル、1966年以来58年ぶり2度目の公演に行ってきました。


紅子:阪神タイガースの日本一よりレアね。


管理人:私はクラシック音楽のことはあまり存じませんし、宝塚大劇場のオケ以外のオーケストラの演奏を聴いたこともほとんどないのですが…


紅子:寝た?


管理人:いやーっ、特に弦楽器が、卓越した歌手の声帯のように、曲ごとに、フレーズごとに、音色を奏で分けるのよ。


管楽器の音の輪郭が、複雑な建築物のような立体的な構築を築いていくのよ。


眠気と戦うどころが、水族館で群れをなす魚たちのように音が躍動する体験に興奮しすぎて、帰宅後も眠れませんでした。


紅子:それは例のニュースのせいでは…


管理人:プログラムがよく考えられていて、


第1幕の最初のモーツァルト:交響曲第29番 イ長調 K.201は、貴婦人のドレスのように典雅で温もりのある「いかにもクラシック音楽」な音色で客席を温める。


次の、ベルク:オーケストラのための3つの小品 Op.6はうってかわって、簡単に言うと


「妻の不倫を知った男が、苦悩の果てに妻を殺害する」


サスペンス映画のBGMのような、心理の綾に分け入る複雑で奇怪な曲調を、シンセサイザーのような無機質な音色で奏でていくのよ。


曲の最後は、シティハンターみたいなでっかいハンマーが出てきて、


🔨ぱっかーん


あ、殺した。


(本当です)


紅子:演出つき!


管理人:ブラームス:交響曲第4番 ホ短調 Op.98の第4楽章は、8小節のサビを30回繰り返す眠気を誘いそうな構成を、単調に感じさせないように、リフレインごとにフレージングやテンポを変えて演奏されていて、緻密に構成されたショーを見ているような感覚だったわ。


音譜はダンサー♪って感じ?


紅子:まとめると「音の色は何色」


管理人:ところで、昭和の頃はベルリン・フィルといえば、「カラヤン」という名物指揮者がいてね。



Brahms: Symphony No. 4 / Karajan · Berliner Philharmoniker




紅子:昭和のころは、クラシック音楽のことを知らない人でも「楽壇の帝王カラヤン」という異名は知っていたよね。


管理人:2023年のコンサートのパンフレットには、ベルリンフィルの歴代指揮者について


”カラヤンの時代(1955-1989)は、上意下達、指揮者が命令して楽員が弾く関係にありました。


それを後任のアバド(1990-2002)で水平、横の対等関係に変え、後任のラトル(2002-2018)もその姿勢を引き継ぎました。


ペトレンコ(2019ー)は全員が納得した上で1つの音楽の道を歩む「コンセンサス」型のマエストロです。”


とわざわざ解説しているのよ。


紅子:最近よく聞く話題だわね…


管理人:カラヤンが亡くなってだいぶたっても、カラヤン時代の


「ベルリンフィルは指揮者の帝王ぶりが凄いらしい」


イメージを変えるために宣伝しているのかしらね。


紅子:世間に沁みついたイメージは根強いのね…


管理人:宝塚歌劇団のイメージ…