裁判になるとどちらが勝訴するのか
遺族側代理人によりますと、24日大阪で歌劇団側の代理人と面会。歌劇団側からは代理人弁護士2人と歌劇団の総務担当者1人、遺族側からは代理人2人が参加しました。
面会で遺族側代理人は歌劇団側に、女性へのパワハラを認めて謝罪、補償するよう求めた上で、パワハラを否定したまま問題を解決することはあり得ない、と伝えたといいます。
これに対し歌劇団側の代理人は「現時点で特定のパワハラの存在を認めていない」との立場は変えないものの、「調査報告書にこだわることなく、遺族の主張を真摯に受け止め、引き続き協議したい」との立場を明らかにしたとしています。
これまでの経過を見ると、遺族側は劇団を提訴するのだろうと思っていたのですが、遺族側と劇団側との面会が行われたのですね。
劇団側は亡くなった劇団員の長時間労働については認めたものの、遺族側の
・ヘアアイロンによるやけどは、Aの故意によるものでパワハラにあたる。
・死亡直前の上級生の指導はパワハラにあたる。
という主張については認めていないとのことです。
もしも司法の場で、2年半前のヘアアイロンによるやけどが、Aの故意であることを証明することはできるのか?
個人的には、仮に裁判となると、長い時間をかけた末に「Aの故意を認定できない。過失は認定する。」という判決が出る可能性のほうが高いのではないかと思っています。
法的にどっちが勝っても、どちらも得るものが無い裁判に踏み切ることは回避し、「劇団が過失を認め、謝罪する。劇団の指導体制の改善を進めていくことを約束する。」方向で協議が進むのではないでしょうか。
個人的には、劇団がホームページに調査報告書をすみやかに掲示し、過重労働について認め、今回の遺族側との面会で
「調査報告書にこだわることなく、遺族の主張を真摯に受け止め、引き続き協議したい」
という姿勢を打ち出したことは評価したいと思います。
劇団側の主張も、文章で読めば、納得する部分もあるのです。
思えば、表に立つ幹部たちの会見での弁論術もシナリオも稚拙で、聴衆の不快を掻き立てるものだったのが残念です。
外野に真実はわかりえないものですし、発言が誠実なのか、内心はわかりません。演技でいいんです。せめて誠実「らしさ」は感じさせてほしかった。