宝塚 ライビュ専科の地方民のブログ

宝塚を「好き」という気持ちを因数分解してみたい、という思いで綴っています

詩人最果タヒのSAPA感想「わからなさ」を抱きしめて

「人類補完計画」について語ろうとおもったのだけれど

自分でブログを書いてみて、思うことはですね。


年齢を重ねてくると、ものの例えに持ち出すもののネタが、古くなってくるんですよ。



私にとっては「新世紀エヴァンゲリオン」って、とてもインパクトの強い作品なんですけれどね。


世の中の流れは速いので、今の若い方には「生まれる前の作品なんて知らない」でしょうし。


いっそ25年前のヒット作より、2,500年前のギリシャ神話で例えたほうが、伝わる可能性が高い、ということに気づき始めました。(エヴァンゲリオンにも聖書のイメージが重層的に織り込まれています)


古典ってすごい。


と国語の先生のようなことを言い出したら、歳をとったということだなあ(しみじみ)


総統01の見た夢

SAPAで総統01が推し進めようとした「ミンナ計画」、エヴァンゲリオンに出てくる「人類補完計画」に共通するのは


「わたしとあなたの境界を無くしたい」


共産主義(全体主義)VS民主主義


というテーマでもあり、


より根源的な「人間の存在のわからなさ」との向き合い方についてのテーマでもあると思います。


このテーマについて、令和の詩人と昭和の詩人が語っている文章を発見しました。

最果タヒとは

で、今回紹介する詩人最果タヒさんが、若い世代の間でどれくらいの知名度がある方なのかはよくわからないのですが、


あの谷川俊太郎さん以来の、「ポエムの印税だけでごはんを食べることができる」詩人でいらっしゃるそうです。

最果(さいはて)タヒさんは1986(昭和61)年生まれの詩人。2006(平成18)年に投稿作品が第44回現代詩手帖賞を受賞、翌年に第一詩集「グッドモーニング」を刊行し、第13回中原中也賞に選ばれるなどの受賞歴を持つ。


スマートフォンで詩を書き、現代の感情を表現する最果さんの作品発表の場は、本やインターネット上だけでなく、SNSの活用、作詞、詩集の映画化、商業施設とのコラボレーションなど幅広い活動を行っている。


天神・三菱地所アルティアムで詩人・最果タヒさんの個展 九州初開催(みんなの経済新聞ネットワーク) - Yahoo!ニュース


そんな現代の詩人最果タヒさんが、宝塚の詩人、上田久美子の「フライングサパ」を解説してくださっているサイトを発見しました。


最果タヒさんは今年に入って、「イスパニアのサムライ」「ワンスアポンアタイムインアメリカ」あたりで宝塚沼にはまったらしい(笑)



↑めっちゃ熱量高めです。

ミレナは過去がわからないが故に自分のことがわからなくなり、それによって今の自分を傷つけていってしまう。


オバクは、今を生きるために、過去を知ろうとするだけだった。過去がわからないからといって、自分の今を否定することがなかった。


彼は、自分のことがわからないという、他者のことがわからないという。


でも、自分のわからなさによって、自分を見失うことがない。わからなくても、自分はここにいる、と、オバクは知っている。


彼はまず、わからないということを自分の中で受け入れ続けている存在なんだ。

そうか。わからなくてもいいんだ。


「わかり合えないなら 対話に意味はなかった」とおもわなくていいんだ。


「僕はここにいていいんだ」←おめでとう👏(わかる人いる?)


だからわたしは あなたではない

奇しくも最果タヒさんの大先輩もこんなポエムを

「あなた」(抜粋)  谷川俊太郎


あなたがあいし あなたをあいする ひとのほおに つたう なみだ


それをわたしは みなかった だからわたしは あなたではない


たとえいつか あなたが わたしの いちばんのともだちに なるとしても


たとえいつか あなたがわたしに おもいでのすべてを かたるとしても


あなたはだれ?


もうひとりのひと


わたしとおなじ くろいかみをして

わたしとよくにた ふたつのひとみで


わたしにみえぬものを みるひと