祝!月組初日 現代のムーランルージュ体験記
月組大劇場初日、おめでとうございます!
昭和初期に岸田辰彌や白井鐵造といった演出家の大先輩たちがパリへ留学し、それこそムーラン・ルージュやカジノ・ド・パリなど、当時全盛を誇ったミュージック・ホールでのレビューを学び、女性性を売るバーレスクだった部分を転化し、清く正しく美しく、甘く、品良く昇華させていったのが宝塚のレビューです。
現代のムーランルージュ
お芝居の舞台「ムーラン・ルージュ」は1889年に誕生したフランスのパリ市内、モンマルトルにある老舗キャバレー。
私、もう20年近く前ですが、パリに旅行した際に「はとバスで行くムーランルージュ・ディナーショー」的なオプショナルツアーに参加したことがあります。
↑現在は新型コロナウイルスにより休業中・・・
料金は、ディナーとショーと送迎つきで大人1名33,800 円
ディナーは・・・あのー 実は室内の照明が暗くて、何を食べているのかよくわからず・・・正直フェリエのレビューランチとそんなに違(以下略)
で、ショーのほうは、男女のダンサーによる、とにかくダイナミック・アクロバティック(カンカンの途中でバク転とか側転とか)な素晴らしいものでした。
今のレビュー演目「Feerie(フェリ)」は1999年から20年のロングランだそうで。10年以上前、私が見た演目をまだ続けているんだ!
つまり宝塚のように地元の常連客相手に、次々と新しい出し物を楽しませるのではなく、もう完全に一見の観光客向けの「見世物」として割り切っているんだろうなあ。
Paris - Moulin Rouge show and dinner
この動画は、現地のはとバスのPR動画のようなものですから、エロチックなシーンは映っておりませんが、
昭和初期に岸田辰彌や白井鐵造が見た”女性性を売るバーレスク”な要素は残っていて、女性ダンサーが上半身がほとんどシースルーで踊るシーンもありました。
女性客も大勢おりますし、鍛え抜かれた女性ダンサーの肉体ですから、別に卑猥とも思いませんでしたが、
タカラヅカの甘い少女の夢の淡いピンクなパリではなく、新宿の歌舞伎町っぽい雰囲気でした。
現実のパリって、こんなものなのねえ、感。
東洋の女性が、モンパリから100年近くパリへの片思いを続けた結果、リアルパリよりもパリらしいパリを「ピガール」の初日映像に見た思いがしました。
おまけ
ロケットダンスの本家本元 ニューヨーク ラジオシティのクリスマス・スペクタキュラーショー
Radio City Christmas Spectacular 2011 - Rockettes, 3D and Opening Night
宝塚がニューヨーク公演を行った、収容人数6,015人!を誇る名門ラジオシティミュージックホールの年末恒例「クリスマス・スペクタキュラー」
宝塚の”ロケット”の語源は、ここのダンスチーム「ロケッツ」に由来するそうです。
身長167センチ以上の女性ダンサーのみによるラインダンス・・・これは宝塚では見られないなあ。こっちのほうが、1920年代の古き良き欧州の匂いがするかも。
ニューヨークの富裕層の趣味って、メトロポリタンオペラの演出とか、レトロな王道好みが残っているのかしら。