宝塚 ライビュ専科の地方民のブログ

宝塚を「好き」という気持ちを因数分解してみたい、という思いで綴っています

宝塚を見るとき脳内スイッチが入りますよね 映画版CATS感想 

ミュージカル「CATS」。ブロードウェイ史上に輝く傑作ミュージカルらしい。これまで四季の舞台を見る機会がなかったが、地元の映画館で実写版が公開されているので鑑賞してきた。


今回のキャストの皆さんは実写とCGを合成していて、リアルに動く耳、しっぽ、そして顔には髭が映え、顔以外全身毛むくじゃら。リアル猫を見て「あ、裸だ」とは思わないが、二本足歩行で華麗なダンスを踊る「類人猫たち」を見るとどうしてだろう、「ヌード」感を感じる(笑)


大丈夫、私は付けまつげにアイシャドウ、真っ赤なルージュでタキシードを着た女性に男を感じてガチ恋できる宝塚ムラの住人だ、20分もすれば異世界モードへの対応スイッチが入ってこの世界観に慣れ・・・・なかった(泣)


「不気味の谷」という言葉がある。人間そっくりのロボットを作った場合、ある程度までは人間に似ているほど親近感が増すが、リアル度がある一線を越えると急に「これは生きた人間ではない」という不気味さに襲われる現象をいう。


「メモリー」を歌うジェニファー・ハドソン始めどの歌唱も素晴らしい、ロイヤルバレエ団のダンサーによるダンスも文句なく素晴らしい。


だけど私は不気味の谷の向こうへ行けなかった。理科の授業で習った北京原人とかジャワ原人とか、動物ではなく、明らかにヒトの祖先で、でも人間ではない彼らが現代のロンドンに一糸まとわぬ姿で現れて、盆踊りを踊っているのを見るようだった。私は人間の劇を求めていて、北京原人の盆踊りに興味は無いのだ。


家に帰って、口直しに録画していた「ガートボニート」を見た。付けまつげにアイシャドウ、真っ赤なルージュでタキシードを着た女性が「にゃーお♪」と歌っているのを見て、脳内で異世界モードへのスイッチが入って、「ああ、宝塚の男役さんがショーで猫パフォーマンスをしている」と楽しめて本当に安堵した。