宝塚 ライビュ専科の地方民のブログ

宝塚を「好き」という気持ちを因数分解してみたい、という思いで綴っています

『DANCE OLYMPIA』愛嬌を「売り物」として魅せるということ

最近いろんな生徒さんにスポンサーがついて、広告に出ていらっしゃいますね。中には宝塚的在り方と外部における「芸能人としての撮られ方」がちと馴染んでいないのかな・・・という印象の方もいたりしますが、「Joseph」のモデルを務めていらっしゃる柚香光さんの撮られ方は図抜けていらっしゃる。


唐突ですが戦前、ターキーこと水の江瀧子さんという少女歌劇の男役トップオブトップがいらっしゃいました。興味がある方はネットでご検索を。今のヅカファンが見ても「こりゃトップだわ」と思いますよ、きっと。個人ファンクラブ「水の江会」の会員数は2万人を超えていたそうです。


そんな彼女の芸はというと、小説家の色川武大によると
「容姿:100 踊り:70 唄:ゼロ  セリフ:舌足らず」
うん?80年後の宝塚界隈でも似たような話が・・・以下略


当時から「あんな音痴のどこがいいんだ」という声もあったようです。評論家の尾崎宏次氏によると

「ターキーの人気の根源はパーソナリティだけである。少女歌劇というへんてこなものが存在してきた中でターキーほどの愛嬌を、つまりショウマンシップを示したスタアはいなかった。ターキーはちゃんと自分の愛嬌を「売り物」にしてみせたのである」




『DANCE OLYMPIA』はスカステで拝見しただけですが、彼女は本当にショースターですね。自身の愛嬌を「売り物」として魅せることにずば抜けて意識的でいらっしゃる。これが上手い下手を超えてトップになるためのsomethingなんだなあと思いました。