宝塚 ライビュ専科の地方民のブログ

宝塚を「好き」という気持ちを因数分解してみたい、という思いで綴っています

ホンネ感想 ホームズ様なぜアイリーンと恋愛するの


注 ラストネタバレ ホンネダダモレ感想です。




宙組公演『シャーロック・ホームズ-The Game Is Afoot!-』『Delicieux(デリシュー)!-甘美なる巴里-』初日舞台映像(ロング)


原作ホームズは「女嫌い」なのに


ホームズ様


もう東京宝塚劇場公演も無事に大千秋楽を迎えたので、正直な本音を申します。


どうして、貴方とアイリーン・アドラーが恋愛関係になるのですか。


ホームズ&アイリーンのコンビで、何をするのですか。


ラスト後の展開が想像がつきません。



・・・よりによって、国王を脅迫するような女と、どうして



管理人🔨ぱっかーん紅子



紅子:だまって聞いていれば、ほっこ(讃岐弁 意味は内緒)なことを!


管理人:だってー。宝塚版ホームズの女嫌いの理由は「昔、恋人を殺されたトラウマ」になっているけれど、


原作ホームズの「女嫌い」の理由は、


コナンドイルワトスンが語るホームズの恋愛観

どんな 感情 も ─ ─ なかでも そういう 恋愛 感情 など といった もの は とりわけ そう だ が ─ ─ 彼 の よう に 冷静 かつ 厳密、 その くせ みごと に バランス の とれ た 精神 構造 の 主 にとって は、 たんに おぞましい もの でしか ない の だ。 


私 の 思う に、 彼 こそ は かつて この世 に 出現 し た、 最高 に 完成 さ れ た 推理 ならびに 観察 マシーン に ほかなる まい が、 悲しい かな、 こと 愛情 問題 と なる と、 とんでも なく 場 ちがい な 存在 に なりさがっ て しまうらしい。


 ホームズ の よう な 気性 の 主 が、 なん で あれ 心 の なか に 強い 感情 を 持つ という こと、 それ は、 精密機械 の なか に はいりこん だ 砂粒 とか、 彼 自身 という 高性能 の レンズ に 生じ た ひび などにも まし て、 精神 の 集中 を 妨げる もの に ほかなら ない の だ。


アーサー・コナン・ドイル. シャーロック・ホームズの冒険 「ボヘミアの醜聞」より


【新訳版】 シャーロック・ホームズ・シリーズ (創元推理文庫)


紅子:何これ。子供4人を全員東大理3に入れた某教育ママが「恋愛は受験勉強の邪魔」って言ってたみたいなもの?


管理人ホームズは「恋愛感情は、精密機械のような推理マシーンである自身の頭脳の働きを邪魔するもの」って思っているようね。


そんなホームズも、「ボヘミアの醜聞」事件で、彼の緻密な計画はアイリーン・アドラーに見抜かれてしまい、


「女性の知性をバカにしてはいけない」という戒めとして、アイリーン・アドラーを「あの女性」という彼なりの敬称で呼び、写真を飾っているわけよ。


アイリーンが「ホームズを女にしたような」キャラに見えない


管理人:三島由紀夫が「女嫌いの弁」としてこんな文章を書いていたわ。


大体私は女ぎらいというよりも、古い頭で、「女子供はとるに足らぬ」と思っているにすぎない。


女性は抽象精神とは無縁の徒である。音楽と建築は女の手によってろくなものはできず、透明な抽象的構造をいつもべたべたな感受性でよごしてしまう。


紅子:今の時代、女性に対して失礼な発言ね!


管理人:まあ、三島由紀夫は昔の古い頭の男性だから。


「ボヘミアの醜聞」におけるアイリーン・アドラーって、「ホームズを女にしたような」


色っぽくない透明な、肉感的でなく痩せていて、抽象的な「知性」を感じさせるキャラなんだけど、


潤花ちゃん、とっても色っぽくて肉感的で、


生田先生の脚本で描かれたアイリーン像も、「若いころはモリアーティを盲目的に信じていた」「もう逃げるのに疲れた。ホームズ助けて」


なーんか、アイリーンを「べたべたした感受性」の枠内のキャラにしているなーって。


紅子:真風ホームズが、


事件があるとイキイキして、事件が無いと「退屈だ―」←平和を喜べ


室内で銃乱射←現状回復しないまま死亡


親友をしれっとモリアーティに刺される生贄にしている←酷い奴


ワトスンの結婚を祝わず、実は生きていることも内緒←本当に親友なのか



・・・


イケメンだから許される、ぶっ飛んだ感性の持ち主だからね。


これでヒロインのアイリーンまでぶっ飛んだ感性だったら、客が感情移入のしようが無いからかなあ。