宝塚 ライビュ専科の地方民のブログ

宝塚を「好き」という気持ちを因数分解してみたい、という思いで綴っています

『柳生忍法帖』ムラより東京のほうが評判がイイ謎



今、東京宝塚劇場で絶賛公演中の『柳生忍法帖』。


管理人はネタバレOK、むしろネタを知ってから見たいタイプなので、SNSで皆様の観劇感想をチェックするのが趣味なのですが、


宝塚大劇場での公演中は、SNSでの『柳生忍法帖』の感想って、


「展開が超特急で意味不明。」


「とにかく、よくわかんなかった。礼さんの歌が上手かった。」


「恋愛要素が無くて、チャンバラばっかり。」


みたいな感想が多くなかったですか?「まあ面白かったよ。」というポジティブな感想はレアだったような。


管理人が宝塚大劇場の千秋楽の配信を視聴して、「意外と面白くて拍子抜けした」という趣旨の感想をUPするとき、少し勇気がいったのを覚えています。


(もちろん出演者の皆様の熱演は素晴らしかったです。あくまで大野先生の責任による部分の話です)


本公演:礼真琴、卓越した技術で、千葉真一もかくやの昭和のチャンバラ時代劇スター役をあいつとめ候。



新人公演:現代人が江戸時代に転生したら柳生十兵衛だった件


ワタシ、不思議なんデス。


東京公演が開幕したら、ムラよりも好意的な感想が多い?


評判がイイ?


ナンデ?ナンデ?('Д')


仮説1 出演者の演技が進化して、よりお話が伝わりやすくなった。


ムラ千秋楽と、東京での新人公演を配信で視聴したのみですが、東京で説明セリフが大幅に増えたとか、場面が増えたとかは無かったですよね?細かい変更はあったかもしれませんが。


演じていくうちに、出演者の役作りがより深まることで、お話がわかりやすくなる。素晴らしいことですね。



仮説2 関西組より関東組のほうが、予備知識を仕入れる時間的余裕がある


東宝での観劇メインの方は、宝塚大劇場で観劇した人の感想や考察をチェックして、「こりゃ事前に予習したほうがいいな」と思って原作や歴史背景を予習したり、


自分で原作を読まなくても、SNSにネタバレがどんどん流れてくるので、ムラの初日を予備知識なく観劇するよりも、事前知識が豊富な状態で観劇する方が多いですよね。


ムラの初日をワクテカして見にいって「・・・」よりは、「どんだけトンチキなのか確認してやろうと思ったら、意外と面白かったよ」・・・


いいのかなこれ。制作側は初日からわかりやすくて面白い作品を作ってください。ムラは壮大な予行演習の場ではないのですよ。


仮説3 江戸の荒事、上方の和事好み


宝塚って、すごいところですよね。トップ男役とトップ娘役はほぼ固定されていて、任期中は常にその2人が恋愛関係になる劇ばっかりするんですから。


外部でも、そこまで主演カップルが固定している劇団ってあるのだろうか。ファミリーでやっている大衆演劇とかは別にして。


たまに「トップ娘役は固定せず、公演ごとに柔軟な配役・・・」となったらファンが



ぎゃあああああ


宝塚ファンって、本当に恋愛劇が好きですよね。このことと、宝塚が関西(兵庫県)に本拠地があることと関係があるのかしらん。



江戸時代から、


江戸の荒事(超人的アクション)好み、


宝塚の本拠地がある関西は、


上方の和事(色男の恋愛劇)好み、


と言われたそうで。


江戸の「荒事」


近世,歌舞伎の演技の型の一つ

超人的な力をもつ主人公の演技をいう。武勇者を扱った金平 (きんぴら) 浄瑠璃の影響をうけ,元禄期(1688〜1704),初代市川団十郎が創始。顔に隈 (くま) をとり,発声・動作を誇張。和事 (わごと) や実事 (じつごと) (実直な人物を中心に,日常的な事件を写実的に演じる)と並ぶが,特に江戸で喜ばれた。

上方の「和事」



歌舞伎で、柔弱な色男の恋愛描写を中心とした演技。また、その演出様式。元禄期(1688〜1704)に発生し、主に上方の芸系に伝わった。→荒事 →実事じつごと


やっぱり今でも、江戸の方は荒事好みなのかしら。そして色男の恋愛劇好みの関西では、柳生忍法帖のウケがイマイチだったのかしら。