宝塚 ライビュ専科の地方民のブログ

宝塚を「好き」という気持ちを因数分解してみたい、という思いで綴っています

”俳優”神田沙也加と共演した”女優”朝夏まなと?


これはふと思っただけの雑記なのですが。


歌手で俳優の神田沙也加さんと共演していた、女優・朝夏まなとさん


という表現を聞くと、いまだに一瞬「?」と思うのです。


女性の役者さんに「俳優」という呼称を用いるのは、ごく最近の傾向に思うのですが。


そもそも「俳優」と「役者」の違いは?


俳優にあたるギリシア語ヒポクリテスhypokritesは「こたえる人」の意。


俳優にあたる英語「アクターactor」は、ラテン語actorを語源とし、「行為、行動、作用」を意味する語actioから派生した言葉。


日本でも、「俳優」という言葉は古代からあったそうです。


俳優:音声と動作を主体に全身的表現により、観客を前にして劇を演じる人。




日本では8世紀に成立した『古事記』『日本書紀』に記された天鈿女命(あめのうずめのみこと)の岩戸開きの舞とか海幸山幸伝説の模倣所作が俳優の起源とされ、「わざおぎ」といわれた。


「わざ」とは呪術(じゅじゅつ)的な身体動作で、「おぎ」は神霊を招(お)ぐこと、つまり呪術的な憑依(ひょうい)行動に巧みな人をいい、漢字の「俳優」をあてた。したがって日本では巫的要素が強いともいえる。


役者:役に扮して演じる人のこと



俳優の別称。古代は,神事,仏事の役にたずさわる者の意であったが,次第に芸能によって神に奉仕する者をさすようになった。能役者,歌舞伎役者などといい,江戸時代ことに歌舞伎俳優をさすことが多かった。


近代に入って俳優の語が一般的となり,立 (たて) 役者,役者根性などの用い方を残してあまり使われなくなったが,近年はまた俳優より役者という表現を好む傾向もある。



女優:女性の俳優



明治以降の近代化に伴い、女優の必要が叫ばれ、新派劇に川上貞奴(さだやっこ)らの芸者出身の女優が登場し、女優養成も行われた。


俳優:音声と動作を主体に全身的表現により、観客を前にして劇を演じる人(古代の宗教儀礼の時代からある言葉)


役者:古代には神に奉仕する役割の人の意味。中世以降、能楽者や歌舞伎俳優のことを指す。当時は正式な役者は男性のみ。


女優:明治以降登場した、女性の俳優


古くから劇を演じる俳優という存在はいて、歴史上俳優は男性だけだったところに、「女性の俳優」として女優が生まれた。


そして今、ジェンダーによって呼称を分けるよりも、「俳優」に統一する動きになっているのでしょうか?


「女優」と「俳優」の使い分けのルールは?

でも、メディアにより女性の役者さんについて「俳優」と「女優」という呼称が混在していますね?


何かルールはあるのでしょうか?


毎日新聞社さんのコラムによると、



女性の場合の「俳優」と「女優」をどう使い分けているのか、というご質問を頂いたことがあります。


現在のところ、毎日新聞紙面では両方を使っていて、使い分けの決まりはありません。


使い分けの決まりは無い!


学芸部の担当記者に聞いてみますと、「女優と言われるのは嫌」とはっきり意思表示をする方がいらっしゃる半面、「私は女優」と強く打ち出される方もいらっしゃるそうです。


ですから一律な線引きは難しく、また、全ての方のご要望に応えることは物理的に難しいのです。


 ただ、一般的には「俳優」とするよう心がけている、ということでしたので、かつてよりは女性の方についても「俳優」と書くことが増えていると思います。


現在は一般的には「俳優」とするよう心掛けていらっしゃるのですね。宝塚の男役さんが退団後芸能活動をするときは


「元男役の俳優」


ふむ。


朝夏まなとさんのことを「俳優」と表記しているメディアはちょっと見当たらなかったのですが、ご本人が「私は女優」と強く打ち出していらっしゃるのでしょうか。


近い将来、「アカデミー賞 主演女優賞」も「アカデミー賞 主演俳優賞」と改められるのでしょうか。