宝塚 ライビュ専科の地方民のブログ

宝塚を「好き」という気持ちを因数分解してみたい、という思いで綴っています

あさイチ『私が踊る時』花總&井上#教えて推しライフ!




2022年1月19日NHK『あさイチ』は「“#教えて 推しライフ!”~舞台俳優推し~」


明日海りおファン、劇団四季ファン、大衆演劇ファン、


さあ、眠りから覚めるんだ!起きて、語っておくれ!あの人のことを!


みりおファンの一族


母親と娘2人、そろって明日海りおファンの一家。


眠りから覚めない娘たちへのモーニングコールは


おかん「極上の美♪ 永遠の命♪」


次女「われーらは♪ 一族♪ みりおファンの いーちーぞーく♪」



長女「寝てる場合じゃない!」



仲のよろしいことで。


長女の勉強部屋は明日海さんのグッズだらけ。受験勉強は大丈夫かしらと思っていたら、宝塚の舞台セットを工作で再現することにハマり、


ついには渾身の自作舞台セットを美大の入試で提出したら、合格!


将来は舞台装置デザインの仕事をしたい!


夢をみつけた長女でした。



ええ話や。


他にも、大衆演劇にハマり、贔屓に手縫いの着物をプレゼントしたら、贔屓が舞台で着てくれた!


など、推しへの愛で人生の夢をみつけたり、溢れる愛をカタチにしたり、


ジャンルは違えど、推し(贔屓)について語るファンを見るのは楽しい!




↑見逃したかたは「NHK+」で1週間配信を視聴できます(登録すれば無料で利用できます)



刹那の微分シシィ、時の無い世界を生きるトート




『Elisabeth』 2019 JAPAN TOUR


今回の花總まり&井上芳雄の『私が踊る時』、すごかったあ。


おなじみ「準備いいですかー?ではお願いしまーす」という導入が、アナウンサーさんちょっと気圧されている?どうした?


スタジオでは、トートのパートを歌う井上芳雄さんが、カメラ目線でほほ笑んでいる。


その、隣。



少女にも見えた。老嬢にも見えた。



研ぎ澄まされた身体に、鬼が宿っている。



これが、花總まり。



私が踊る時 時間の無い3分間


踊りとは、音楽という時間の枠があってこそ存在する。


ヒンドゥーの神話における宇宙の大河は、踊るシヴァ神の姿をしている。神の踊り、宇宙の流れを支える踊りが時間の流れなのだ。



花總まりのシシィが「私が踊る時」を歌う時、時空がゆがむ。


彼女が歌う3分間は、私が普段カップラーメンができるのを待っている3分間とは、時間の進み方が違う。


旋律を、音符を、どこまで微分しても、その刹那にエリザベートの60年の人生のすべてがある。



そもそも、「エリザベート」という芝居は、冒頭から


「お前らはもう、死んでいる」


生者の劇ではなく、死者による証言劇である。



シシィを刺し、刑務所独房内で自殺したルイジ・ルキーニ。


煉獄で彼が地獄行きか天国行かを決める裁判で、死せる者たちが蘇り、在りし日のエリザベートを語る。


その煉獄に、生者と同じ時間は流れているのだろうか。


煉獄での裁判で呼び出された亡霊たちの中に、被害者のエリザベートはいなかった。


彼女はどこにいるのだろう。


トート閣下とともに、永遠の存在?


あるいは、無?


死後に時間ってあるのかしら。



量子重力理論では、時間は伸びたり縮んだり、しまいには「時間は存在しない」というという深淵に行き着く、という理論があるそうです。



花總まりの歌う「私が踊る時」は、音楽と演技で、3分間だけ、今トート閣下とシシィがいるだろう、


この世とは時間の流れが違う2人だけの世界、


あるいは、時間の無い世界に連れて行ってくれました。