宝塚 ライビュ専科の地方民のブログ

宝塚を「好き」という気持ちを因数分解してみたい、という思いで綴っています

上田久美子さっそく始動!フクロウの声の話?








2022年6月8日(水)~12日(日)東京建物 Brillia HALLにて、スペクタクルリーディング『バイオーム』が上演されることが決定した。


この度、中村勘九郎が主演を務め、演劇界を牽引する俳優達と初タッグを組み、進化型エンターテインメント演劇をおくる。


本公演は、宝塚歌劇団で心に残る数々の名作を手掛けてきた上田久美子による書下ろし戯曲となり、『麒麟がくる』『精霊の守り人』の一色隆司が演出を行う。




【あらすじ】

その家の男の子はいつも夜の庭に抜け出し、大きなクロマツの下で待っていた。フクロウの声を聴くために…。


男の子ルイの父に家族を顧みるいとまはなく、心のバランスを欠いた母は怪しげなセラピーに逃避して、息子の問題行動の奥深くにある何かには気づかない。


政治家一族の家長としてルイを抑圧する祖父、いわくありげな老家政婦、その息子の庭師。


力を持つことに腐心する人間たちの様々な思惑がうずまく庭で、古いクロマツの樹下に、ルイは聴く。


悩み続ける人間たちの恐ろしい声と、それを見下ろす木々や鳥の、もう一つの話し声を…。




フクロウの声・・・


フクロウって、民族によって捉え方が全く違う鳥らしく



古代中国では、母親を食う不孝な鳥とされ、冬至にとらえて磔(はりつけ)にし、夏至にはあつものにして、その類を絶やそうとしたという。


『五雑俎(ござっそ)』にも、福建などでは、フクロウは人間の魂をとる使者といわれ、その夜鳴きは死の前兆とされたとある。


わが国江戸時代の『本朝食鑑』には、人家に近くいるときは凶であり、悪禽(あくきん)とされ、あるいは父母を食い、人間の爪(つめ)を食うと記す。


西洋でも、フクロウは不吉な前兆を表す鳥とされ、古代ローマの皇帝アウグストゥスの死は、その鳴き声で予言されていた。


ユダヤの律法を記す『タルムード』は、フクロウの夢が不吉であることに触れているし、『旧約聖書』の「レビ記」はけがれた鳥に数えている。


しかし、古代ギリシアでは、アテネを守護する女神アテネの鳥として信仰され、現代でもアテネの神格を受け、知恵と技芸の象徴に用いられる。


フクロウを集落の守護者とする信仰もある。北アメリカの先住民ペノブスコット人は、縞(しま)のあるフクロウは危険を予知し、警告するとし、パウニー人は夜の守護者といい、チッペワ人は剥製(はくせい)のフクロウを集落の見張り役とした。


北海道のアイヌ民族は、シマフクロウを飼育し、儀礼的に殺して神の国に送り返す、シマフクロウ送りの行事を行う。



フクロウって、ウエクミの好きそうなモチーフ満載の鳥なんですね。ウエクミは、古代人がフクロウの声をそこまで恐れた秘密に迫りたいのかな。


上田久美子先生はいわゆるバーチャルリアリティ 【virtual reality】を「仮想現実?ああ、ゴーグル被ってゲーム内を探検する奴でしょ?」だけとは思っていないのかな。



最近、バーチャルリアリティ 【virtual reality】を「仮想現実」と翻訳するのは、技術の進歩やユーザーの意識の変化に追いついていないのではないか?という意見もあるそうで。


virtualとは、(表面または名目上はそうでないが)事実上の、実質上の、実際(上)の、虚像、


realityとは現実(性)、真実性、実在、真実、事実、現実、実物そっくりなこと、迫真性


「メタバース」という概念の生みの親、 SF作家 ニール・スティーヴンスン 氏は、virtual realityを「比喩世界」と定義したそうで、


まあ、暗喩とメタファーに満ちたウエクミ流「言葉の錬金術」が炸裂しそうな朗読劇ですね。配信をぜひ!