瀬戸内国際芸術祭で宝塚の良さを再確認した話
瀬戸内国際芸術祭in 小豆島に行ってきました
香川県の島々では、
現代アートを、美術館や画廊から解放して、のどかな瀬戸内の島の自然の中でアートを「体験」しようよ!
というコンセプトの、瀬戸内国際芸術祭が開催されています。
秋会期は11月6日までですが、常設展示が多いので、会期終了後もアート巡りが楽しめます。
特に関西方面にお住いの、秋の行楽シーズン、いつもとちょっと違う旅をしたい、というあなた!
「船の旅」はいかがでしょうか?
現代アートを展示する島がたくさんあって、だいぶややこしいのですが💦
とにかく高松駅に来て、高松駅の観光案内所でパンフレットをもらって、うどんを食べて一泊。
次の日の朝、開催地の中でいちばん大きな島である「小豆島」土庄港行きか、ベネッセのアート活動で有名な「直島」行きのフェリーに乗って、
現地では、ぶらり路線バスの旅っぽく、途中下車しながらアートに触れて、
島の施設は17時で閉まるので、島のホテルに宿泊するか、高松駅まで帰る、
という行程が一番確実だと思います。
(その他の島は、とても規模が小さい離島で、フェリーの便や現地の交通についてだいぶ調べる必要がああります)
※フェリーの切符は、予約しなくても、当日港の乗り場で十分買えます。
普段香川県の本土側に住んでいると、島のほうってきっかけが無いと本当に行く機会が無くて、
管理人は、成人後も何度か小豆島を訪れているのですが、
配偶者は、昭和の時代以来の小豆島上陸!
なぜ不便な島で現代アート?と思われるかもしれませんが、
瀬戸内国際芸術祭の楽しさは、乗らない方は本当に機会が無い「船」に乘って、ある意味「異界」に行くという行程あってのものだと思います。
宝塚大劇場は、梅田や三宮から、わざわざ阪急電車に乗って、ハイソな高級住宅地の街並みを見ながら行くのが、気分が盛り上がってイイネ!みたいなものですね。
うどん県PR団 「ヤドン」をデザインしたフェリー・バス登場【香川】
小豆島行のフェリーは、一部の便がポケモンの「ヤドン」というキャラとコラボした特別仕様!
(小豆島フェリーの公式HPでは、どの便がヤドン号かわからない💦どうしても乗りたい方は 、小豆島フェリーのチケット売り場087-822-4383にお尋ねください)
『天使の散歩道(エンジェルロード)』
西浦線 国際ホテル下車 徒歩5分
土庄町・余島にある『天使の散歩道(エンジェルロード)』は潮の満ち引きによって、1日2回、島が繋がったり離れたりする、不思議スポット。
ちょっと前まで、香川県民にもほとんど知られていないエリアでしたが、
TBS系列のドラマ「ラブレター」で「秘密の島」として取り上げられ、人気が出ました。
引き潮で浮かぶ天使の道 恋人たちの聖地 小豆島の「エンジェルロード」
ただ、この光景が見られる時間は日によって変わるので、
道が現れる時間は、こちらからご確認ください。
※このHPで紹介されている時間は「道が見える時間」で、渡れる時間帯はもっと短い(時間帯の中央の時間のみ)なのをご留意ください。
道の駅 小豆島オリーブ公演で『チリンドロンライス』を食す
路線バス「オリーブ公園口」下車
道の駅・産直市・SAならココがオススメ!「小豆島オリーブ公園」の面白ポイント・必見スポットを動画で紹介!|タウン情報まつやま2017年10月号
瀬戸内の島で、オリーブ?
欧米か!
と突っ込まれそうですが。
小豆島は山だらけで雨が少なく、田んぼができないので、
しょうがないからオリーブを植えたら、よく育ったんですよ。
「小豆島オリーブ公演」では、敷地内に2,000本のオリーブが植えられ、ギリシャ風の風車が回り、
併設のレストランでは、家畜のエサにオリーブの搾りかすを加えて育てた「オリーブ牛」「オリーブ豚」「オリーブ地鶏」を使用したランチを楽しめます。
人気メニューは、野菜と鶏肉をトマトソースでじっくり煮込み、オリーブオイルを利かせたスペインの郷土
料理『チリンドロンライス』
映画「魔女の宅急便」のロケセットをそのまま使っている“雑貨コリコ”や“はじまりの本”など、インスタ映えする素敵なスポットが点在しています。
公園でほうき(レンタルしています)にまたがって、ぴょーんと魔女風の記念写真を撮ってはいかがでしょう。
若き日の小芝風花が!
映画『魔女の宅急便』予告編
難解な現代アートも、自然の中で見ると説教臭さが薄れていいね
アートのことを話して無かった!
管理人が島で見た現代アートで一番印象的だったのは、
地元の人しか使わない、のどかな漁港の坂手港(土庄港から「坂手東」行バスで約50分)
チェルノブイリや福島の原発事故をテーマにした作品を発表している、ヤノベケンジ氏の
「THE STAR ANGER」
のどかな漁村に突如、
宝塚のミラーボールのようなギラギラ輝く太陽に、禍々しい黒い角が生え、上には銀の鱗の龍が、海に向かって咆哮している。
《THE STAR ANGER》ヤノベケンジ Kenji Yanobe
もしも、この作品が、都心の美術館の中にあったら、
作者から「あなたはこの作品をどう解釈しますか?」と突き付けられて、
これは空に輝く、まやかしの太陽か。
人類は、殺戮と破壊のためだけに、にせものの太陽を一瞬輝かせることができる。
あるいは、顔を蹴られた地球の、怒りの爆発か。
この銀の龍は、ビキニ環礁の核実験に着想を得て製作した、“水爆大怪獣映画”として製作された『ゴジラ』第1作へのアンサーか。
とか何とか、解釈をひねり出すことを要求されているようで、
まあ、何だ、
現代アートって、説教臭い雰囲気がありません?
でも、このアートが、のどかな漁港にどーんと鎮座して、
空から海から照らされて、
とにかく光ってやがる!
輝いてやがる!
龍神様、ありがたい!
なんかもう、拝みたくなりました。
現代アートを美術館とか画廊とかの中だけで完結させず、ナマの太陽や海や風の中でアートを体験する試みの楽しさ。
宝塚の良さにも通じますね。
私は宝塚を、スクリーンや配信ばっかりで見ているから、ごちゃごちゃ理屈で見ているんだろうな。
生で見て、とにかく光っていて、かがやいている空間を共有して、体感してわかるものこそ、美しいんだろうな。