宝塚 ライビュ専科の地方民のブログ

宝塚を「好き」という気持ちを因数分解してみたい、という思いで綴っています

ジェンヌが在団中にセカンドキャリアを描けない難しさ






劇団を運営する阪急電鉄が退団後のサポートを強化するため、2020年4月に設立した「タカラヅカ・ライブ・ネクスト(ライブ)」についての記事がありました。






小川さんは、「トップスター以外の2番手、3番手で劇団に貢献した人や、ダンスや歌などで素質を持った演者のセカンドステージをサポートしたい」と同社設立の趣旨を語る。


9月末時点で、アーティスト8人、社員7人(梅田芸術劇場兼務3人を含む)が所属し、これまでステージやイベントなど5つの公演を行ってきた。


「『ライブ』は役者だけではなく、演出家、衣装などの裏方を育て、総合芸術としてやっていきたい。元タカラジェンヌなので舞台の雰囲気は分かると思うが、チケットの売り方やキャスティング、外部との信頼関係の構築なども学んでいかなければ」と小川さん。


「タカラヅカ・ライブ・ネクスト」の意義について語る小川友次社長【時事通信社】


 まずは少人数からのスタート。小川さんは「頑張ってきたタカラジェンヌをサポートできるよう少しでも力になりたい。


興業リスクや新型コロナウイルスでの公演中止の懸念もあるが、われわれも歯を食いしばりながらやっていく。


できないことはしないけど、できることは援助していきたい」と決意を語った。



株式会社タカラヅカ・ライブ・ネクストの所属アーティストと活動は、



株式会社タカラヅカ・ライブ・ネクスト 所属アーティスト一覧
音花 ゆり
純矢 ちとせ
藤咲えり
澄輝 さやと
透水 さらさ
笙乃 茅桜
風馬 翔
星乃 あんり


このほか、裏方として活動する元タカラジェンヌ社員もいて、


広報のほか、デザイナーとの予定の調整、公演で使用する曲の選曲、照明調整など、幅広い業務を担っていらっしゃるそうです。





ちなみに、梅田芸術劇場所属の元宝塚OGは



梅田芸術劇場所属 アーティスト一覧


(所属)


麻実れい


湖月わたる


朝海ひかる


樹里咲穂


(専属契約)


春野寿美礼



あ、俳優の池田亮さんも!






株式会社タカラヅカ・ライブ・ネクストで、これまでに開催したイベントは、




・『アプローズ』~夢十夜~ 彩凪 翔 退団後初ステージ


・瀬戸 かずや Christmas Dinner Show


・『The ALSTROEMERIA -アルストロメリア-』瀬戸かずや ファーストコンサート


・峰さを理追悼 チャリティコンサート『愛の旅立ち』


・『Dramatic City “夢”』シアター・ドラマシティ30周年記念コンサート




所属している元ジェンヌのこれまでの活動は、



・タカラヅカ・ライブ・ネクストや梅田芸術劇場制作の舞台に、バックダンサーやコーラスとして出演


・ヨガインストラクターや振付師など、特技を生かしての活動


・裏方として、2番手退団したジェンヌの退団後初舞台の企画・製作、チケット販売など




などが多いようですね。



所属アーティスト8人、社員7人の規模の会社で、2020年以降の3年間で5つのイベントを開催。


正直、社員15人の会社の経営を回すために、株式会社タカラヅカ・ライブ・ネクスト単独の売上では、経営的にはとても厳しいのでは・・・


個人的には、2025年の大阪万博を機に、夢洲に統合型リゾート(IR)を核とした国際観光拠点を誘致するという話があるので、そこでのエンターテインメントのウリとして、宝塚の第6の組「夢組」的なものを作り、外国人観光客向けのレビューをするのかな?とか思っていました。


会社設立直後にコロナ禍があり、ひょっとしたら当初の想定よりも、だいぶ小規模な活動を余儀なくされている可能性もあるのかなあ。






難しいのは、一般の会社員の方だって、転職や副業もあたりまえになった時代。


ある程度の年齢になって、本気で転職したいとかでなくても、自身の今後のキャリアを考えて、「あれしたい、これしたい」があって、


資格を取ろうとか、会社以外の人脈に接触するとか、あれこれ下準備してから動くことが多いと思うんですよ。



笙乃さんも、退団するまで目の前の舞台に集中し、セカンドキャリアについて周りと話す機会はほとんどなかったという。


「宝塚は裏側を見せず、ベールに包まれているからこそ魅力的。退団するに当たり、周りに『あれする、これする』と話している人はいない。


最後まで夢の世界は守っている」と語る。


在団中に、通信制教育で大卒資格取得のための勉強をするとか、日商簿記などをオンライン講義で学ぶ、というやり方もあるのかもしれませんが、


ジェンヌが在団中に周りに「退団後のために、○○の勉強をしている」なんて話してしまったら、


ファンたちが「すわ、○○さん、退団!?」と大騒ぎになってしまうのかあ。





阪急阪神ホールディングスで、2021年度は「エンターテインメント事業」自体は黒字であったので、


タカラヅカ・ライブ・ネクストは、それ自体で収益をバンバン上げたい!というよりは、


阪急阪神ホールディングスの売り上げに貢献してくれた元ジェンヌへの「セカンドキャリア支援事業」といった位置付けなのかなあ。阪神タイガースの元選手へのセカンドキャリア支援事業的な(小川社長も、元阪急球団の職員でしたね)