5分に編集したら超素敵!『カジノ・ロワイヤル』初日映像
『カジノ・ロワイヤル』初日舞台映像(ロング)公開!
宙組公演『カジノ・ロワイヤル ~我が名はボンド~』初日舞台映像(ロング)
オープニングの、分身たちを引き連れた銃撃シーン(ガンバレル・シークエンス)の躍動感、
1968年のパリの街並みの印象派のようなタッチと、ヒッピー衣装の色合いの調和、
そして『カジノ・ロワイヤル』に鎮座する巨大シャンデリア、賽を投げられた華やかで優雅で残酷な女王のようなルーレットを見つめる、富に飽いた富豪たち。
デルフィーヌ:黒海のクリミア半島、行ってみたいなあ。
ボンド:ロマノフの末裔では、ビザが下りないかぁ。
2人:イルカが人を愛するように♪人間同士が許し合えば♪
のセリフに、2023年も、物語の舞台の1968年も、黒海のクリミア半島でイルカウォッチングクルーズができない時代という意味では同じということに気づかされる。
クールでソリッドでゴージャスでロマンチックなミュージカル大作の予感にワクワクする、5分間の予告編ですね!
アクションの魅力は、映画版の『カジノ・ロワイヤル』が圧勝ですが、
Casino Royale Official Trailer (2006) James Bond Movie HD
タイトルにある、フランス大西洋岸ロワイヤル・レゾーにあるホテル内の『カジノ・ロワイヤル』の絢爛の表現は、宝塚版のほうに分があるのではないでしょうか。
宝塚版の『カジノ・ロワイヤル』、5分間の切り抜き動画にしたらこんなに素敵なのです。
最近の小池先生の脚本・演出は、この密度を2時間保つ筆力が息切れしてきたのかなあ。
長編の原作を切り取って再構築するのは上手いのですが、短編~中編のモチーフを組み合わせ、エピソードを膨らませる構成力がちょっと弱くて、お話がわちゃわちゃして、観劇後の印象がぼやけてしまうのです。
題材選定や、配役はばっちりなのです。
大劇場1本ものを書ける演出家の育成のため、いっそ小池先生はプロデューサー・監修的な立ち位置に回って、小池先生のプロットを演出補の先生に構築してもらうようにしたほうがよいのではないでしょうか。