宝塚 ライビュ専科の地方民のブログ

宝塚を「好き」という気持ちを因数分解してみたい、という思いで綴っています

新人公演なき世代の育成は?バウ・ワークショップ&カタリジェンヌ作戦だ!

新人公演は素晴らしい制度だが負担も大きい

新人公演ができない・・・ほんとに大問題ですよ。


しょうがないとは思います。本公演ですら密を避けるため2班体制なので、稽古場だって足りないでしょうし。


これまでも、特に大劇場での新人公演の日程はタイトすぎて、


中卒の研1が新人公演に出演できないのは、労基法の関係で深夜に及ぶ稽古に参加できないからでしょうが、成人でも若いとはいえ、本公演と新人公演の稽古に追われる日々は、充実感・喜びの裏に、やはり相当な心身の疲労もあるでしょう。


では、若手の芝居をどう鍛えるか?


スカステでカタリジェンヌ リターンズ作戦


カタリジェンヌ 第10話「アイバンホー」元タカラジェンヌによるボイスドラマ 主演 瀬奈 じゅん、壮 一帆、彩乃 かなみ |中外製薬


宝塚が完全休演期間中は、カタリジェンヌシリーズにたいへんお世話になりました。


あのような著作権の切れた名作をリライトし、若手たちがリモートで稽古して、バウで衣装をつけてソーシャルディスタンス朗読劇として上演し、スカステで放送するのはどうでしょう。(素敵なイラストも背景に投影できないかな?)


あ、今度スカステで月組が「名作ことばの泉スペシャル『忠臣蔵』」を放送しますね。

バウ・ワークショップ作戦

生徒の芝居の修行の場として、外箱や全ツの公演予定も、まったく読めない状況ですからね・・・


救済策として思いつくのは、バウ・ワークショップかなあ。やはり客の前で芝居の役として生きる練習が必要でしょう。


バウにソーシャルディスタンスで何人のお客が入るかわからないですが、生の舞台の緊張感は絶対に必要と思います。収益がなあ・・・配信は経費がペイするのかな?


ではそこで何をやるか・・・


ワンスアポンアタイム イン タカラヅカ作戦

ベタなところで、柴田先生や菊田一夫(エルベ・ダルレーク)の名作再演。


あと、植田先生の昭和のころの作品もいいかも。みんな植じいのベルばらや風共にぶーぶー言っていますけれど、まあ確かに古臭いし、一本ものが多くて全ツに持って行きづらいので、ベルばら風共以外あまり再演されませんけれども。


ベルばらのシュテファンというお人形、フェルゼン面会からの大階段を昇る最期(ギロチンを出さないのがすごいと思う)とか、


風共の第2のスカーレットが「私とあなたは裏表♪」とか、


めっちゃクサいけど、劇場で見ると劇的な効果がすごい!原作にないアイデアをよく思いついたものだと思います。


今の若手の演出家の先生ねえ、若いうちからオリジナル作品を書かせてもらえるのはいいのだけれど、あらすじを追うダイジェストみたいな作りになりがちで、


戯曲のテーマの見せ方とか、じっくり芝居をする場の作り方とか、大胆な場の省略と繋ぎとか、話の構造を2時間なり90分の枠で詰将棋のように組み立てる修行が足りないのでは、という危惧があります(小声)


内外の名作戯曲シリーズ作戦

宝塚ワンスアポンもいいけれど、宝塚だって今を生きる劇団。演劇界と隔絶した龍の宮でもないわけで、新しい外部のエナジーも欲しい(ポーの一族みたいやな)


たとえば若手演出家がシェイクスピア原作縛りで競作とか、


谷先生がよくやっていた落語モチーフの1時間もの2本立てで、主演も分けるとか、


三谷幸喜さんなど日本の「戯曲・シナリオ」の名作レパートリーを買ってくるのも、話題になって外部の芝居ファンが配信をみてくれるかも。


とにかく「戯曲・芝居」の名作を、実際に生徒を動かして舞台にあげる修行をして、若手先生の演出力も鍛えてほしいです。小説と、映像のシナリオと、舞台の芝居は別なのでね。