宝塚 ライビュ専科の地方民のブログ

宝塚を「好き」という気持ちを因数分解してみたい、という思いで綴っています

実は色っぽい?「こんにちは赤ちゃん」 天国の梓みちよさんへ

歌手の梓みちよさんが亡くなったそうです。宝塚音楽学校のご出身でいらっしゃったのですね。入団はされなかったようですが、雰囲気から察するに男役志望でいらしたのかな。


「こんにちは赤ちゃん」には、実はめったに放送されない3番の歌詞があります。


こんにちは赤ちゃん お願いがあるの

時々はパパと ホラ二人だけの静かな夜を つくってほしいの

おねがい赤ちゃん おやすみ赤ちゃん


ふふふ・・・やだー 永六輔さん なんで産後3か月の私の気持ちがわかるのー(笑)


梓さんはこの歌のイメージがあまりにも強くて、一時レパートリーから外された時期があったそうですが、うーん気持ちもわかるなあ。音校に入るような方ですものねえ。もし贔屓がディナーショーでこの歌を歌っ(以下略)



この歌に関わった方々は皆天国へ旅立たれてしまわれましたが、


この世に新たな命が生まれるたび、この歌は流れて、あなたに命を与える、素晴らしい作品に巡り合えたこと、本当に幸せなことだったと思います。


ご冥福をお祈りいたします。

FLYING SAPA ― 真風氏は水星で生存できるのか本気で考えてみた

『FLYING SAPA -フライング サパ-』

作・演出/上田 久美子

未来のいつか、水星(ポルンカ)。過去を消された男。記憶を探す女。謎に満ちたクレーター“SAPA(サパ)”。到達すれば望みが叶うという“SAPA”の奥地。夢を追い、あるいは罪に追われてクレーターに侵入する巡礼たち。過去を探す男と女もまた、その場所へ…。

追撃者から逃れて、2112時間続く夜を星空の孤児たちは彷徨する。禁じられた地球の歌を歌いながら──

SFには2種類あります。スペース・ファンタジーとサイエンス・フィクションです。


スターウォーズ=エルハポン説


たとえばスターウォーズの映画では、銀河系をまたにかけて、隣の惑星に行くのに東京~ムラ間を遠征するくらいのノリで移動しておりますがね、宇宙ってめちゃくちゃ広いんですよ。隣の惑星まで本気で行ったら年単位、数十年単位の時間がかかるんですよ。あの映画が未来が舞台で、宇宙船が出てワープしてビームを撃とうとも、話の枠としてはエルハポンと同じく、女を助けて悪役をやっつけるチャンバラ時代劇(ジェダイ)の様式のスペースファンタジー(宇宙オペラ)なんですよ。


浦島太郎=サイエンス・フィクション説


浦島太郎は昔話だけど、サイエンス・フィクションだと思うんです。「もしも地上と竜宮城で時間の進み方が違ったら」というサイエンスの「if」をキーに、お話が構成されていますから。FLYING SAPAは移動範囲も太陽系内だし、ウエクミ氏の性格的にこっち系だと仮定します(笑)


水星ってどんなところ?


国立天文台によると

水星の昼間の温度は赤道部分で最高430°Cに達します。これは鉛もとけてしまう温度です。逆に夜は-160°Cにまで冷え込んでしまいます。水星には、地球と異なり、温度をやわらげてくれる大気も海もないからです。さらに、水星の一日というのがまた少しかわっていて、このことも昼と夜の温度差を大きくする原因の一つになっています。

88日間は昼間で太陽が照りっぱなし、そして次の88日間は夜で太陽は全然姿を見せないのです。



・・・こんなところに着陸して真風氏は生存できるのか?


ピンポイントに生存可能な場所を発見!


気になって調べたら、水星の極地のクレーターの太陽光が当たらない縁のところは氷点下を保ち、水が凍ったものが存在するそうで。となるとクレーターの縁の地下にシェルターを作って太陽エネルギーで氷を溶かしたら、人類生存もまったく荒唐無稽ではないらしい。


こんなピンポイントな場所に何をしに行くのか・・・あー気になってきた。ライビュあるよね?

そして男役がいなくなった ライバル劇団SKDが解散した日

先日の記事の中で、戦前の男役スター ターキーこと水の江瀧子さんについて言及したのですが




彼女は宝塚の殿堂にはおりません。なぜなら彼女はタカラジェンヌではなく、松竹少女歌劇(SKD)のスターだったのです。


戦前は浅草、国際劇場(客席4,000!)を拠点にし、東京に限れば宝塚よりも人気があったといわれたSKDですが、戦後は緩やかに衰退していきます。

お芝居をしない男役

戦後宝塚は、東宝の巨匠菊田一夫を作・演出に招いて「霧深きエルベのほとり」「ダル・レークの恋」を上演するなど地道にお芝居を続けていましたが、SKDは浅草に来る地方からの観光客や外国人をターゲットに、お芝居はせず90分のショーのみのプログラムでした。


しかしこの方法では常連客がつきにくく、客足は徐々に減っていきます。


宝塚がベルばら、風共で沸いていたころ、SKDも漫画原作の舞台に挑戦しますが、劇団員にはお芝居の経験が無く、評価は厳しいものだったようです

男性目線意識のショー

1978年、松竹はSKDを映画「男はつらいよ 寅次郎わが道をいく」に登場させて宣伝を図ります。


映画に残るSKDの舞台は、宝塚との差別化のため男性客へのアピールを狙ったのでしょうか、ラインダンスの衣裳はおへそが見えるビキニスタイル!宝塚でいえば専科のおねえさまの学年の女役さんが、腰をくねらせてセクシーに踊るシーンがメイン。


男役らしい方もいるのですが、大階段の黒燕尾の群舞やデュエットダンスを魅せるようなものではなく、女役の支え、みたいな位置づけでした。

映画『男はつらいよ』(第21作)予告編映像

そして解散へ

宝塚がエリザ初演に沸いていた1996年、SKDは解散します。特に存続活動もありませんでした。最後まで残っていた劇団員16人による解散公演。ニュースに映っていたのはセットもなく、ピンライトもない素の照明の舞台。もう男役はおらず、女性ダンサーばかりの舞台でした。


ターキーこと水の江瀧子さん

『DANCE OLYMPIA』愛嬌を「売り物」として魅せるということ

最近いろんな生徒さんにスポンサーがついて、広告に出ていらっしゃいますね。中には宝塚的在り方と外部における「芸能人としての撮られ方」がちと馴染んでいないのかな・・・という印象の方もいたりしますが、「Joseph」のモデルを務めていらっしゃる柚香光さんの撮られ方は図抜けていらっしゃる。


唐突ですが戦前、ターキーこと水の江瀧子さんという少女歌劇の男役トップオブトップがいらっしゃいました。興味がある方はネットでご検索を。今のヅカファンが見ても「こりゃトップだわ」と思いますよ、きっと。個人ファンクラブ「水の江会」の会員数は2万人を超えていたそうです。


そんな彼女の芸はというと、小説家の色川武大によると
「容姿:100 踊り:70 唄:ゼロ  セリフ:舌足らず」
うん?80年後の宝塚界隈でも似たような話が・・・以下略


当時から「あんな音痴のどこがいいんだ」という声もあったようです。評論家の尾崎宏次氏によると

「ターキーの人気の根源はパーソナリティだけである。少女歌劇というへんてこなものが存在してきた中でターキーほどの愛嬌を、つまりショウマンシップを示したスタアはいなかった。ターキーはちゃんと自分の愛嬌を「売り物」にしてみせたのである」




『DANCE OLYMPIA』はスカステで拝見しただけですが、彼女は本当にショースターですね。自身の愛嬌を「売り物」として魅せることにずば抜けて意識的でいらっしゃる。これが上手い下手を超えてトップになるためのsomethingなんだなあと思いました。



宝塚を見るとき脳内スイッチが入りますよね 映画版CATS感想 

ミュージカル「CATS」。ブロードウェイ史上に輝く傑作ミュージカルらしい。これまで四季の舞台を見る機会がなかったが、地元の映画館で実写版が公開されているので鑑賞してきた。


今回のキャストの皆さんは実写とCGを合成していて、リアルに動く耳、しっぽ、そして顔には髭が映え、顔以外全身毛むくじゃら。リアル猫を見て「あ、裸だ」とは思わないが、二本足歩行で華麗なダンスを踊る「類人猫たち」を見るとどうしてだろう、「ヌード」感を感じる(笑)


大丈夫、私は付けまつげにアイシャドウ、真っ赤なルージュでタキシードを着た女性に男を感じてガチ恋できる宝塚ムラの住人だ、20分もすれば異世界モードへの対応スイッチが入ってこの世界観に慣れ・・・・なかった(泣)


「不気味の谷」という言葉がある。人間そっくりのロボットを作った場合、ある程度までは人間に似ているほど親近感が増すが、リアル度がある一線を越えると急に「これは生きた人間ではない」という不気味さに襲われる現象をいう。


「メモリー」を歌うジェニファー・ハドソン始めどの歌唱も素晴らしい、ロイヤルバレエ団のダンサーによるダンスも文句なく素晴らしい。


だけど私は不気味の谷の向こうへ行けなかった。理科の授業で習った北京原人とかジャワ原人とか、動物ではなく、明らかにヒトの祖先で、でも人間ではない彼らが現代のロンドンに一糸まとわぬ姿で現れて、盆踊りを踊っているのを見るようだった。私は人間の劇を求めていて、北京原人の盆踊りに興味は無いのだ。


家に帰って、口直しに録画していた「ガートボニート」を見た。付けまつげにアイシャドウ、真っ赤なルージュでタキシードを着た女性が「にゃーお♪」と歌っているのを見て、脳内で異世界モードへのスイッチが入って、「ああ、宝塚の男役さんがショーで猫パフォーマンスをしている」と楽しめて本当に安堵した。